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男性が自立する社会
日本では、まだまだ男性が「働く」以外の選択肢を選びづらい状況である。では、男性が自立する社会が築かれている所はあるのだろうか?
以前、デンマークで一般のご家庭に泊めていただいたんです。北欧は、世界で一番男女が平等な社会なんです。学校でも、職場でも、家庭でも。それを普段の生活の中で実感しました。
たとえば、列車で男の人が赤ちゃんを大事そうに抱っこして、オムツを換えにトイレに行ったり、夕方になると日本みたいに遅くまで働かないので、5時くらいから街の中をお父さんが乳母車を押して散歩しているんです、スーツを着たお父さんが。日が長いので、夏は夕方の8時くらいまでご夫婦で散歩する人もいます、奥さんと腕を組んで。若い男性が家に花を飾ったり……。それを見て、なんてすてきなんだろう、こういう家庭や社会って本当にあるんだなと感動しました。
北欧は女性が働いてるから、男性も深夜まで働かなくてもいいかもしれません、ワークシェアというか。国会議員の半分、大臣の半分が女性なんですよ。男の人に、家庭と生活を楽しむ意識があるのが印象的でした。
男性も女性も、生きていることを、シンプルに楽しむことが大切だと思います。毎日を充実させて、おいしいものを作り、お部屋をきれいにして、親しい人と笑って、暮らしを楽しむ。働く人は、仕事を楽しみつつ、きちんと働く。そうした日々を積み重ねていくことが自立であり、また生きる幸福ではないでしょうか。自分自身が毎日の生活を楽しむこと、その環境を自分の手で作り出せること、それが自立するということなんじゃないでしょうか。
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