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財津 和夫さん
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青春を全て預けてきた、チューリップ
- 佐々木
チューリップ35周年。CD「Tulip おいしい曲すべて」2枚組み。買わせていただきました。
- 財津
ああ、もう、すいません。本当に。来年の35周年に向けたキックオフという感じで。
- 佐々木
チューリップの結成日は9月25日ですよね。イー・ウーマンも9月25日スタートなんで、9月25日が来ると思い出すんですけれど、35年やってきて、いかがですか。
- 財津
バンドとしては、一旦もう切っちゃったんで、気楽な感じでやれているんですね。解散するまでは18年続いたと思うんですけれど、これは結構ヘビーだったですね。
- 佐々木
ヘビーだった? チームとして、という意味ですか?
- 財津
チームとしても、世の中を生き抜くという意味でも。東京で頑張るという、そういった意味では、結構大変だと。
男ばっかりのグループだから、みんな年取っていくと、それぞれ城を持ちたくなるだろうし、なのに1つにしなきゃいけないっていうのは、なかなかちょっと大変でしたね。で、1回解散しちゃってるから、その後はもう好きなように、やりたいことをやろう、って。
- 佐々木
解散とか、そのへんのことをうかがっていいですか。結局、組織の中で財津さんがリーダーでやってらっしゃったわけですが、意見の対立というのは音楽的な意見が合わないということが主でしたか?
- 財津
まあ、音楽的な意見もきっと違っていたんだと思うんだけれど、それはなんだかんだ、上手い具合に我慢してくれたりとか、ごまかしたりとかで。僕らはビートルズが好きだったから、「ビートルズがこうやったよね」ということを言えば、伝家の宝刀で、「そうだね」っていう感じで、それは上手い具合にいったんです。
でもやっぱり年とって結婚していったりとか、いろいろそういうことがあると、今までは学生のノリでよかったけれど、チューリップというバンドにおける自分の立場、位置がこれでいいのかな、とみんな将来のことを考えたら、思ったんじゃないかな。そしてやはり、やりたいことも変わってきているし。いろんな意味でね。人生観も変わってきているし。というんでまあ、分裂したこともあった。
- 佐々木
解散しようというのは、どことなくそういう雰囲気になった。
- 財津
解散は、バンドが2つに分かれちゃって、でもチューリップは続けなくちゃいけない。まあ時期的に、半分足を、あるプロジェクト、というかコンサートツアーに乗っけちゃっていて、もう、前に進まなきゃいけない状態だったんで、新しいメンバーを入れてスタートしたんだけれど、もう、全国のイベンターは、メンバーが違うじゃないか、約束と違うということになって、すったもんだでしたよ。
でまあ、そんなこともあったんだけれど、何て言うのかな、2つになって、メンバーを補足してやっていくうちに、もうこれを、これ以上「チューリップ」は続けられないな、って。
やっぱりあの、オリジナルメンバーとしてのチューリップというのが、チューリップの大半のイメージを占めていただろうし、ここからは、続けたいけれどしょうがないだろう、ここで終わったんだから、実質ね。惰性でここまできているから自然に、フェードアウトするという感じだったかも。
- 佐々木
やっぱり、さみしい感じですよね。
- 財津
そりゃあ、青春を全て預けてきたし、遊びたい盛りに遊ばないで。
- 佐々木
そうですよね。東京目指して……。
- 財津
東京と戦わなきゃいけなかったし、それはそれは、いろいろな意味で思い出深いバンドでございます。はい。まとめました(笑)。
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