ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第88回 田村 真理子さん

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田村 真理子さん
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フランスのアントレプレナーたち
- 佐々木
経営者にね。フランスの若手経営者ですか?
- 田村
映画をつくっていた方で、今でこそ有名になった方とかいらっしゃるんですけど、その人達も私も20代になったばかりくらいじゃないですか。彼らは大学を3年ぐらいで出て、あとは専門学校とかに行かれたりするんですよね。グランゼコールの専門版みたいなものですね。だから20代ちょっとで、自分達の卒業記念で映画を作って、ついでにって言うと変だけど、もっと拡大するために会社を作っちゃおうなんていう人も中にはいたんですよ。
- 佐々木
会社をつくる、っていうのが新しい発想ですよね。その頃としては。
- 田村
で、「へえ、そんなことしちゃうんだ」。日本でそういう人達に接する機会はないわけだから、「これは海外だからか?」なんて思ったりもしたわけです。すると彼らは彼らなりに、今聞いてみるとよくわかるんですけど、フランスは、日本以上に税金の問題だとかいろんなことがあって、実は会社が作りにくい国だったんですよね。
だから当時、彼らが書類を突き返されとかって怒っていた姿をよく見ていたんですね。で、あまりわからないので「作るのって大変なんだな」ぐらいに思ってた。でも、クリエーターがビジネスの世界に入ってきた時の、ごちゃまぜになった……。
- 佐々木
そこから生まれるパワーがあったんですね。
- 田村
パワーと、その若いがゆえのすごさというのもあったのと。一回は映画づくりが回るじゃないですか。そうすると、もう一つ大きいのを作りたいから、今度は資金繰り。映画だから、半端じゃないお金を持ってくるんですよね。そうすると、初めて、資金繰りをきちんとやってくれるようなディレクターとかプロデューサーが加わったりして。
- 佐々木
起業ベンチャーから、次の拡大ステージに上がっていくところを見たっていうわけですね。面白い。
- 田村
見ました。それは面白かった。何かをクリエートするのは私も結構嫌いじゃないし。
- 佐々木
起業家精神があった、ということですよね、フランスまで行ったわけですし。
- 田村
それもパリじゃなくね。あの頃はパリに皆行っていたから、何となくパリだと遊んじゃうとかいろんな理由があって。
- 佐々木
ニッチが好きなのね。
- 田村
わりとそうかもしれない。
- 佐々木
(笑)だから気が合うのかもしれない。何か、知らないうちに人混みから外れて、珍しいことが好きだっていう(笑)。
- 田村
だから新しいものを作りたいっていう、あの人達の情熱に、すごく共鳴しちゃって、「そうだ! そうだ!」みたいな。で、その頃はただインタビューして書いただけなのに、「じゃあ、ちょっと手伝うわよ」とか言って、日本に何本か本当にドキュメンタリーを売ったことがあるんですよ。NHKに。
- 佐々木
すごいじゃないですか(笑)。
- 田村
今考えると(笑)。忘れていたけど、「それはいいものだから、日本でも売った方がいい」とか言って。確かに何かをやるのが好きですよね。
16/23
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