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田村 真理子さん
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雇われる側のリスク
- 田村
私は絡んでると思います。そして次は特に2007年超高齢化時代で、佐々木さんもさっきおっしゃったんだけど、特に、また女性起業家がまた焦点を浴びていますよね。今までとまた違った感じで。
- 佐々木
なぜ? 2007年問題と、高齢化問題と、女性起業家が関係ある?
- 田村
超高齢化になって、どういうことが起きるかって言うと、国は、一人ひとりが自立していってくれる社会を作らなきゃならない。それで、1円で会社ができるとか、いろんな会社が作りやすいとか、新しい制度が今できていますよ。
- 佐々木
1円起業で会社を作りやすくしているのは、田村さんがおっしゃるのは、これから皆が自分で稼ぐ社会になっていく、あるいは、雇われるということが仮に自分に向いていないとか、あるいはできない、全然雇ってくれないという人たちも、自分で何かお金を生み出す方法が、増えるようにしていく。
- 田村
していくっていう方向に行っているのは確かですよね。だからこそ、そういう小規模的な会社が生まれやすくなったので、女性にも男性にも言えることです。そうやって考えていくと、昭和40〜50年というのは、サラリーマン化していった時代ですよね。いかにも安定形に見えた。よく言われるように、雇われる人と雇われない人の時に、よく出てくる言葉がサラリーマンはお金が入ってくるけど、起業は不安定……。
- 佐々木
企業に入ってたって、全然安定じゃないのにねって私は思うんですけれども、いかがでしょう?
- 田村
そうなんですよ。だから、それはちょうど高度成長期に政策があり、その方が緩やかな形で雇われる側と企業の距離感があって、これはお互いに伸びていく。家庭の箱を守ってくれている人がいるという前提だったからよかったんです。雇用法、終身雇用を含めて、社内の中での特殊技能が養われるっていう制度でもあったわけですよね。
で、これがやはり揺らいできているわけじゃないですか。そうすると雇われている者のリスクっていうのが存在しているっていうことを皆自覚しないと、本当に、有名どころでもいつ辞めさせられるかわからない。
- 佐々木
明日かもわからないですものね。
- 田村
合併が始まっちゃうしね。
- 佐々木
そう。笑い話ですが、ある銀行が「住宅ローンをとても安くします」というコマーシャルがあったので、私はいろいろな紹介も受けて、銀行をかえようと、やっとのことで時間をつくって窓口にいったんですよ。そうしたら受付の人が私の書類を見てね、「すみません、経営者の方は使えないんです」って。驚く私に、「会社員向けには安い金利なんですが、経営者はダメなんです」って。「なぜですか?」って言ったら、「リスクが高いから」と。
「会社員は安定している」って、銀行の人が言うから、私が「そんなことはない。有名企業だって明日つぶれるかもしれない時代です、起業家は、稼ぐ力があるんだから安定してるんじゃないですか」って言ったんですけど、ダメでした(笑)。
- 田村
要するに保証してくれてるってことでしょ?
- 佐々木
でも、その大きな錯覚っていうのかな。別に会社員が悪いとは言いません。会社員がいなければ、起業家一人がいたって会社は大きくならないわけだし。だけれども、安定・不安定という発想はあまり論理的でないって、思うんですね
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