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田村 真理子さん
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この20年で、起業環境は
- 佐々木
今、男女差を伺ったんですけども、時代と言うとちょっと大げさですが、15年前あるいは20年前と、今では、どんな変化があります?
- 田村
やはり産業構造の変化が一番大きいですよね。よく女性起業家に視点を当てて男女を語られると思うんですけど、女性で言えば、もちろん大先輩が70年代とかもっと前にいらっしゃいますけど、あえて私達に関わった時代で考えれば、80年代の後半に男女雇用機会均等法が生まれた。
これは、女性だけじゃなくて男性にも働きやすい社会を作りたかったわけですよね。で、それによって女性が大手を振ってというか、当たり前のように社会に出ることができるようになってきたわけじゃないですか。
そうすると家庭の中に埋まっていたビジネスチャンスというものが、女性を通して出てきたわけですよね。で、当然最初は規模も小さいし、やり方もわからないから、さっき佐々木さんがおっしゃったように、女性が先に手がけていきますよね。でも最近はその辺に、男性もわかってくると入ってくるわけですね。対個人、対家庭サービスの分野に。
だから80年代にまず一つの波があって、要するに人口の構造の流れの接点の仕方ですよね。で、それに伴ってもう一つの次の波は95年のウィンドウズで、初めはお父さんたち、要するに社会人のため、会社の人のためのソフトだったのが、気づいたらお家にあって誰も使わないから、奥様が使い出すとか女性が使い出した。最初、女性たちもビジネスではなくて、本当に子育てとかに困って会話をしていったのですよね。ツールとして。
- 佐々木
それは確かにそう。95年以降の、ITの普及が、どれだけ女性に影響を与えたかは、実体験としてよくわかります。96年に私は、日英2カ国語での、女性向けのウェブサイトを、たぶん日本で初めて作ったわけですよね、今で言うポータルサイト。そこに掲示板を持っていたんです。96年から「子育て」とか「起業」とかってテーマ立ててやっていたの。やっぱりあの当時、珍しかった。他にないからね。非常にきちっとした人たちが毎日のように山程投稿してきて、すごくいいディスカッションをしていたんです。
- 田村
意識が高い。要するに、本当に、ぶつけるところがないという人なんですよね。聞いていると、そこにビジネスチャンスを実は見つけてね。
- 佐々木
ビジネスチャンスは見つけないで、ずっとボランティアで運営していたのが、私らしいんですけど(笑)。
- 田村
ビジネスチャンスっていう言い方をすると、いかにも四角い気がするんだけど、ビジネスチャンスと言うよりは、集まっていくうちに、「じゃあ、そこに予算をつけるようにどこかから持ってきましょう」とか、ビジネスというより、「それを維持するため、そういう会話を維持するためには予算が大切だよね。だから、どこかから持ってこないと、これ、運営できないじゃない」っていう、そういうことですよね。
だから、続けるためには資金が必要だっていうことに気づいていって。補助金ばかりもらえないし、じゃあ、定期的に資金を生むような方法は、って考えるんですよね。逆に、「サイトをやると、ビジネスチャンスがあるかもしれない」って入った人は、とは言い切れませんが、そういった人は結構淘汰されていることが多いですよね。だから、必要なサイトが残ったっていうのがすごくありますよね。
- 佐々木
今のお話だと、これまでの10〜15年の起業環境の変化っていうのは、すごくITと絡んでるっていうことなんですか?
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