ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第87回 金平 敬之助さん

87 |
金平 敬之助さん
|
|
|
「美味しいなあ。君と食べるのが、僕は一番幸せだよ」
- 金平
奥さんは、いままでは、一人で「みのもんたの番組」を見ながら、あり合わせのもので食べていたのが、今度はそうはいきません。やはりご主人がいたら、何か美味しいものを、喜ぶものを作ってあげようと思うでしょう。工夫して作って出したら、無言のままですよ。美味しいの、まずいのとも言わないで、テレビを見ながら食べている。それでは奥さんは嫌になってしまいますよ。何でそんなことがわからないんでしょうか。だから、そのときはいままでの3倍以上、褒め言葉を連発してちょうどいいと、私は言うのです。
「美味しいなあ」とか、「君と食べるのが、僕は一番幸せだよ」とか、「今日は彩りがいいなあ」とか、「栄養も考えてくれてありがとう」とか、大袈裟なくらい言ったらいいんです。それができないと、夫婦の最大のピンチを乗り越えられませんよ。
年配者向けの講演のときもよく紹介する話があります。私の高校時代の親友の話です。夫婦仲がとてもいい。奥さんもやさしい人。でも、二人っきりの生活に入って半年目ですよ、奥さんからひどいことを言われた、と私に訴えるのです。「何を言われたの?」って聞いたら「いや、ひどい。傷ついた」って繰り返すだけです。なお、しつこく聞いたらこんな告白したのです。ある日、奥さんが真剣な目をして不思議そうな顔をして言ったというのです。「あなたって、ほんとうに三度三度食事するのね」って。
- 佐々木
(笑)
- 金平
「これには堪(こた)えた」って言っていましたよ。これは、本当の話なんですよ。私は今日ここに来るまで何をしたかって言うと、まず家の中を半分掃除しました。朝の食事のスープも作りました。
- 佐々木
何時起床ですか?
- 金平
大体5時少し前。普段は体操に行きます。今日は行く時間がなかったのですけれど。6時ぐらいから出て行って、20分歩いて、体操して、7時ぐらいに帰ってくる。それから私が野菜を中心としたスープをつくる。暑いときは妻がサラダを作ってくれる。こんな風に分担し合っているのですよ。あとは家の中の掃除は100%、私の役目です。家を新築して7年くらいです。妻は一度も家の中を掃除したことがないはずですよ。
- 佐々木
掃除っていうのは、どういうのですか?
- 金平
床を拭いたり。床を拭くと言っても、モップですね。夜のおかずの仕込みは奥さん。でも、仕上げは私です。奥さんをゆっくりお風呂に入れてあげたいので……。
- 佐々木
それはすごい(笑)。
- 金平
すごいんじゃないですよ。これが当たり前なんですよ。当たり前と言うと、ちょっとムリしているみたいに聞こえますが……。
- 佐々木
でも先生も、そういう風に結婚当時からやっていたわけではなくて、どこかでやはり、ひらめいたわけですよね(笑)?
18/34
|
 |
|
|