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高橋 伸子さん
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第4コーナー、ゆっくり考えます
- 佐々木
これからの10年、20年はどういうキャリアというか、どんな貢献を?
- 高橋
そうですね。今はちょうど踊り場ですね。子どもたちが2人とも家を出て、1人は結婚が秒読み。夫婦だけの新しいステージなので新婚気分でゆっくり考えたい(笑)。作家になる夢もあきらめていませんが。
ただ、御多分に洩れず、去年ぐらいから、両方の両親の健康不安とつきあうことになっています。仕事は少しスローダウンかな……。
でも、それなりに仕事はあるわけです。高齢者の金融の問題とか。父が、変額年金で、銀行に変な契約をさせられ、自分でおかしいと気づいて、支店長に面会を求めて3回も交渉したそうです。現役時代の仕事が銀行相手ですから、交渉力は普通の人よりもあったはずですが、元に戻してもらえなかった。
80歳の父が、90歳から年金開始になる保険、しかもリスクがあるものに入るなんて、本人がまず望んではいないわけ。私が交渉したら、銀行側はあっさり非を認めて無条件解約に応じましたが、こうして高齢者が餌食になっていくのだなあ、と。
ですから、今までは子育てをしながら、私の疑問、わが子の疑問は社会の問題、皆の問題、という感じで取り組んできましたが、この先は親や孫が新たな仕事のネタかも(笑)。少子高齢化で、自分たちの上の世代と下の世代が大変ですから。
- 佐々木
両方の実例を元に貢献していく、と。
- 高橋
そうですね。これまで10年ぐらいのスパンでライフプランを考えてきましたが、「あらもう、第4コーナーなのね」という感じ。しばらくは、少し、流れに身を任せてみるのもいいかな、と(笑)。
- 佐々木
余裕なんですね。
- 高橋
そうそう。たぶん佐々木さんも15年後ぐらい先に味わえる心境だと思いますけれども。
- 佐々木
15年も待ちたくないですけど(笑)。
- 高橋
(笑)どうしても、親は"子ども年齢"で考えざるを得ないところがありますからね。それと、夫婦のライフプランとも関係しますよ。わが家は、50歳になったら会社勤めを辞めて独立・起業する計画を夫が実行しました。彼もどちらかというと社会貢献モード(笑)。
- 佐々木
すべてが計画通りに。計画性がないとおっしゃいますけれど、とても理想的な進み具合で。
- 高橋
理想的かどうかは別として、まあ心地よいです。昔は、明日の事を全部準備しないと心配で眠れなかった。子どもが熱を出したらどうしよう、飛行機が飛ばなかったらどうしようと、危機意識が常に頭にあって、完璧な段取り人間でした。でも、今は日々を一生懸命生きて、自分でどうすることもできないことには悩みません。「そのときはそのときよ」って覚悟するだけ。いつ死んでもわが人生に悔いなし、と思えるように、やりたいことは先送りせずにやってしまうし。
- 佐々木
すごい。理想的な人生。
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