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win-win > 第80回 鷹松 香奈子さん・斉藤 美和さん

小さい頃から、絵を書くのが好きだった
- 鷹松
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いえ、全然考えてなくて。私が専攻していたのが、日本刺繍なんです。着物とか帯の刺繍を専攻していたんですね。ところが、その道で食べていこうと思ったら、京都の職人のところに弟子入りして、月3万くらいのお小遣いで、住み込みで……。
- 佐々木
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15年、みたいな。
- 鷹松
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そうそう(笑)。一人前になるまでは、10年20年は当たり前の世界なのよ、って言われて、それもちょっと……って。自分に自信がなく。
- 佐々木
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でも、刺繍を専攻した時点で、ご存知だったのでは?
- 鷹松
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正直あまり考えてはいませんでした(笑)。絵が好きで描いていることが幸せだったので、絵が描ければよかったんです。
中学から女子美の付属だっだんです、私。小学校の図工の成績がよかったというだけの話で受験したら受かってしまい。中学、高校、短大と、ずっと絵ばっかり描いていたんです。本当に美術の時間が多い学校で。
- 佐々木
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日本刺繍というのは、針を刺す、ということですよね?
- 鷹松
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でも、下絵として日本画的な水彩画が描けないと、刺繍ができないから。
- 佐々木
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じゃあ、就職活動をする段階になって初めて、これから15年3万円丁稚奉公、みたいなことを理解して……。
- 鷹松
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そう。それが分かって、無理だな、と。
- 佐々木
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で、真珠屋さんに就職ですか。でもご両親は、今までの道と違うことについては、何もおっしゃらなかったんですか。
- 鷹松
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それに関しては何も言われませんでした。ただ、何でもいいから働いて自分でお金を得なさい、ということでした。
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