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澤田 貴司さん
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15秒の走りを14秒にするために
- 佐々木
再建企業でも、結局、「澤田さんがおっしゃってる事は、そうだ」って経営者が思ったかもしれない、あるいは、澤田さんが訪問した時には、皆「そうだ、そうだ」と思うかもしれない。でも、それを社員が持続して、常に様々な課題に、丸裸で付き合うように人が育っていくことが大切なんですよね。でも魔法はない。そのコツというかヒントみたいなものを、この 9 カ月で得ましたか?
- 澤田
やっぱり、業務だよな。業務を、具体的にどうするか。たとえば 100 メートルを 15 秒で走る人が、 14 秒になるために毎日なにをやらなきゃいけないのかっていう事を、きっちり決めてあげるっていう事。
で、それが 14 秒にならなかったら、結果をレビューして、またやり方を変えてあげる事っていう、だから、ものすごく具体的に。「なるぞ!」っていう気合だけではなくて、「じゃあ、朝起きてからなにをやっていかなきゃいけないのか?」っていう事を、各部署に対してきちんとメニュー作りをしてあげて。で、それができる、できない、そのトライは、もう、やってもらうしかなくて。で、結果に対して、できたら褒めてあげる、できなかったら修正してあげるっていう事が、やっぱり基本。
僕は、結局はトヨタと GM の違いっていうのは、 10 年前は、もう GM は世界最大のカーメーカーで、だれも怖くないぐらいのメーカー。それが、トヨタは、日本では大きかったけれども、世界的にはまだ小さかった。それが、やっぱり環境問題に本気で向き合ったり、品質問題に本気で向き合った。 GM は、その規模を維持しようと思って、買収に走った。
今じゃ日産に買収されようとしているわけじゃないですか、 GM が。で、トヨタは、やっぱりもう断トツの力をつけて、非常にハイブリッドな車を作って、すごく環境にも優しくて、そうなっちゃってるわけじゃないですか。
やっぱり、それっていうのはなんで起こっているかって言うと、結局、きちんと仕組みができて、きちんと日々の業務に落とされて、で、社員もそれに納得して、毎日毎日やる事をコツコツやって、日々の業務の総和、 10 年の総和が、今のトヨタを作ってる。
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