ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第75回 津山 直子さん

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日本国際ボランティアセンター(JVC)南アフリカ現地代表
津山 直子さん
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有機農を復活させるために
- 津山
東ケープ州のほうは環境保全型農業、有機の無農薬の農業を行っているんです。実はアパルトヘイト時代には、人口全体の83%が黒人なのにもかかわらず、13%の土地だけしか黒人の土地ではなかったんですね。
土地も取られて、農業も衰退してしまって、男たちは鉱山や白人農場に働きに行くこと、それしかできなくなってしまって、農業も村も衰退してしまったんです。私たちは、農業を復活させていくことによって、その人たちが自分たちの地域に誇りと自信を持って生きていくことができるようにしたいんです。
食糧も、白人農場で作ったものを白人のスーパーから買うのではなくて、自分たちで、自分たちの土地を使って、安全な食べ物を作って安定した生活を築いていくことが大切じゃないかと思っています。そういうのも、やっぱり研修をして、中心になる農民を育てて、その農民がまた他の農民に、っていうふうに活動を広げていくようにしています。
- 佐々木
農業は盛んですか? 南アフリカ全体でできるわけじゃないですよね?
- 津山
南アフリカでは、かなりの地域で農業は可能ですね。私たちがやっている東ケープ州は、ドラケンスバーグ山脈という、3,000メートル級の山の一番ふもとの南側にあって、冬はかなり寒くなる、雪が降るような場所なんですね。ですから、冬には、これまではなにも作物が採れなかったし、果樹もないような地域だったんですけれども、でも、土壌を良くして、できるだけ水を保全するような農業をやっていけば、冬でも作物が作れるし、リンゴとかアプリコットとか桃とか、ずいぶんいろんな果樹を育てるようになりました。で、アボカドとかパパイヤが採れる、もっと熱帯性の気候の地域もあります。
- 佐々木
へえ。気候が豊かですものね。それで無農薬でやるようになったら、海外へ輸出だってしてほしいぐらい。
- 津山
そうですね。ただ、そういった意味では、南アは農村でありながら10%ぐらいしか自給率がないんですよね。だから、まず自分たちの家、そして自分たちの地域で十分な食糧を得て、それができたあとに外にも売っていこうっていうふうにしているんです。
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