ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第73回 パトリック・ダヴィッドさん

73 |
パトリック・ダヴィッドさん
|
|
|
初めて活動したアフガニスタンでの鮮烈な記憶
- ダヴィッド
最初の活動が、どうしても忘れられませんね。今では携帯電話が普及し、性能もとてもよくなったので、本部との連絡等にかかる時間が大幅に短縮されましたが、私は1984年に初めて、アフガニスタン奥地の山間部で医療支援活動に参加しました。
現地には電話もなく、ビザもなしで働きました。一旦山間部に入ってしまうと、外の世界との連絡は全く取れなくなってしまうという状況下で、私たちは医療支援活動を行ったのです。
- 佐々木
怖かったでしょう。
- ダヴィッド
それでもどうにか生きて帰ることはできました。
- 佐々木
何人で行かれたのですか?
- ダヴィッド
2人です。白いロバを連れて、薬や医療器具の入った鞄を持って、2人でアフガニスタンの山間部にはいっていきました。
- 佐々木
現地の通訳は連れていたでしょう?
- ダヴィッド
連れて行きました。そして、途中の村々でとまり、医療活動を行いました。当時の状況は今では想像もできないでしょう。母親に電話をすることもできなかったんですよ。外の世界から全く孤立した地域で、ニュースを聞くこともありませんでした。
- 佐々木
でも村々では歓迎されたでしょう? みんな驚いたのでは?
- ダヴィッド
医師が来ることを村人たちは知っていたので、私たちを見て驚くことはありませんでした。どこに行っても大歓迎されました。自宅に招き入れてくれるだけでなく、「ここで寝てください」とまで言われました。村人たちが歓迎してくれたことが、私たちの心の支えになりました。
とにかく外の世界から完全に切り離された地域で、家族や友人、所属していたボランティア団体の事務所と連絡を取ることすらできなかったのですから。
15/27
|
 |
|
|