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マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング株式会社 代表取締役社長、組織人事コンサルティング部門 アジアパシフィック上級副社長
柴田 励司さん
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働く人が、仕事をエンジョイしても給料が上がるようにした
- 柴田
一番大きいのは、「ホテルで働く人が、ホテルの仕事をエンジョイしても給料が上がるようにした」。
これ、ちょっと、なかなか分かりにくいんですけど、「マネジメントの仕事に就かない限り、給料が上がらない」っていう仕組みだったんですよ。ですから、「現場が大好きで、お客さんの名前をいっぱい覚えたり、いろんなレシピを知ってる」とかっていう人でも偉くなれないんです。で、偉くなれないから、給料も上がらない。したがって辞めちゃう、こういう悪循環があったところを、「専門性で勝負ができる」という道を作り、そういう人にスポットライトを当てて、「むしろ、そっちの方が偉い」っていうんでしょうか、「大切なんだ」っていうことに変えたのは、これは大きな変更ですね。
- 佐々木
それは素晴らしいですね。
- 柴田
あとは、やっぱり年功的な運営をずっとしていたので、「入社して5年以降は、実力によって差が劇的について、抜かしたりということも十分あるし、また抜き返すということもできるし」というような仕組みを作りました。
- 佐々木
喜ばれたでしょうね。
- 柴田
喜ばれましたね、その時にはね。
- 佐々木
それは、経営側からも組合側からも喜ばれた?
- 柴田
むしろ組合のほうから。経営側からは、その時は大変喜んでくれましたが。実は、ホテルってものをご存じかもしれませんが、ものすごく給料が安いんですよ。ですから実は、給料制度を作った時に、黙っていても給料が上がっていく仕組みにしちゃったんです。それは組合的な発想ですね。ところが、まあ、そこまで経営はよく分からないので、気がついてみると、毎年人件費が膨らんでいるということが後で分かって、「なんていうものを作ってくれた!」っていう話にはなりました(笑)。まあ、だいぶ、若手の、特に中堅の悩みどころの人たちには大変感謝されたと思いますが。
- 佐々木
で、5年いて、その後……?
22/26
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