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マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング株式会社 代表取締役社長、組織人事コンサルティング部門 アジアパシフィック上級副社長
柴田 励司さん
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ソーシング・ストラテジー。学校も見直せる
- 佐々木
そうすると、見直しを依頼された場合、会社に来て下さって、「あなたはどんな仕事をしてるんですか?」って、一人ひとりのインタビューをしながらソーシングの見直しをしてくれる、ということですか?
- 柴田
まあ、簡単に言うとそういうことですね(笑)。
- 佐々木
アメリカではずいぶん前からあったと思うんですが、やっぱり一人ひとりのインタビューってすごく重要ですよね。本人はみな「忙しい」と思って説明するのだけれど、隣で何時間か仕事ぶりをよく見てみると、無駄な動きがいっぱいあるでしょう?
- 柴田
ありますね。で、わかっていても、いろいろあって、なかなかやめられない。我々はしがらみがありませんから、きちんと提言ができる。特に、ひどいのはお役所と学校ですね。学校の先生は悲惨です。昔からのこともやりつつ、新しい文部科学省の要請もやってるんで、もう、ダブル、トリプルになっていますね。
- 佐々木
もう、ヘトヘトですね。でも、学校の先生の場合は、あんまり合理化できるものじゃないのでは?
- 柴田
いや、大いにあります。これはもう、びっくりしちゃうようなことが、いっぱいあるんです。
- 佐々木
ありますか。私、今、文部科学省の中教審の、初等中等教育分科会の委員をやってるんですが、その際伺った話で、進学のための内申書などの書類が、今、全部手書きなんですって。で、教師から「電子化を承認してくれ」っていう要求が出てました。もっともですよね。一番忙しい先生が、一人ひとりの評価などを全部紙に書いているなんて、信じられないじゃないですか。
- 柴田
あと、あれですよ。体育祭とか文化祭とかってあるじゃないですか。あの記録って、まったく残っていないので、毎年ゼロベースでやることが多い。
- 佐々木
マニュアルがないんですか?
- 柴田
マニュアルはないんですよ。しかも、その、やった人が転勤してたりすると、誰も知らない。
- 佐々木
そうか。だから、先生がいなくなると、それまですごくいい運動会だったのに、突然さびれた運動会になっちゃって。
- 柴田
そうなんです。で、BGMなんかも、その先生が自分で持ってきてたものだったりして。だから、組織的な対応っていうのはまったくできていない。その気でやれば、まず相当良くなります。
- 佐々木
そうか、学校のマネジメントとして「ベスト運動会セット」みたいなプログラム案や曲目リストを何パターンか文部省が教員向けサイトに出しておいてあげればいいんだ。入場門のデザイン案とか、ね(笑)。
- 柴田
まあ、それを言うと、「また、あの中央からの指導が……」みたいな話になっちゃう(笑)。でも、そうなんです。忙しくて、そういうことをやる暇がないという、この悪循環に入ってるんですよ。
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