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マーサー・ヒューマン・リソース・コンサルティング株式会社 代表取締役社長、組織人事コンサルティング部門 アジアパシフィック上級副社長
柴田 励司さん
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「皿回し」状態の組織が多いのでは
- 佐々木
人事の課題に共通項はないと承知してますが、それでも800社のご経験があると思うので、あえて質問すると、企業のなかでの共通の問題点ってどんなことなんでしょうか?
- 柴田
それはですね、組織のなかが「皿回し状態」になっていることです。そういう企業が非常に多いんです。2,000件の法人の、過去10年くらいの売上高の推移と、売上高総利益率っていうのをプロットすると、売上がだいたいフラットなんですよ。ところが、利益率はどんどん良くなっている。
つまり、どんどんどんどん合理化しているんですよ。だから結果として、10年前に10人でやっていたやつを、今はたぶん5人くらいでやっているわけです。
- 佐々木
(笑)そうですね。
- 柴田
で、それはいいんですけど、もう限界で、全員で皿を回しているもんですから、新しいことをやろうって言っても、難しい。回しながら「はい、やります」って言うんですけど、できないんですね、皿が落っこちちゃうから。で、「人が足りない」って言うんで人を採用しても、教えられない。この状態が続いていくと、そのうち皿が落ち始めていきます。それが重大な品質の問題を招きます。例えば列車の事故ですとか、株式の誤発注ですとか。そこへきて、今、景気が拡大基調にありますから、無理に皿を増やそうとしている。危険な状況にあると思っています。
- 佐々木
なんだか、自分たちのことを言われているような。
- 柴田
だから、ここをどう乗り切るかというのが課題ですね。皆さん、こういう話をすると、必ず「そのとおりだね」ということになります。だから、「誰が、どの仕事をどのようにやるか」という見直しが必要になります。これは「ソーシング・ストラテジー」って言ってるんですけど、このあたりにちゃんと気がついて、手を打つことができれば、この山を乗り越えることができると思います。
- 佐々木
業務分担の見直しをしっかりやって、必要な仕事に集中するということも大切ですよね。
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