ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第66回 板倉 啓子さん

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薬膳研究家 板倉料理学院院長 メンター・フーズ(有)代表取締役
板倉 啓子さん
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薬膳はカラダの中も、5つに分けて考えるんです
- 板倉
料理はうまけりゃいいだろうにと思いますよね。料理に理論なんてと。薬膳を教えはじめた頃はまじめに最初に理論を話してしまって生徒さんに逃げられました(笑)。もう東京で13年お教室をやっているのですが、はじめにこういった話をするとどうもだめですね。
- 佐々木
じゃあ、Win-Win対談で私がこんなことをいきなりお聞きするとは思わなかったんですね。イー・ウーマンは違いますよ(笑)。むしろ理論を理解することが、大切だという方がたくさん集まっているんです。
- 板倉
本当ですか? よかった。……なので、「五行説」の考え方は漢方医学に組み入れられ、応用されています。
体、臓器も5つに分けて考えます。
- 佐々木
臓器を5つに?
- 板倉
表をごらんくださいね。例えば「五臓」の「肝」は血流量、気をコントロールしていて「血」を送り出す「心」と協調しあっている限り血のめぐりに異常が起こることはありません。木をこすれば火が生まれるように機能を高めあう「相生」の関係となります。
また表の五行「金」には同じ「行」に分類された「皮膚」や「肺」「大腸」が属します。アトピー性皮膚炎を治療するときに肺にも作用する薬を使ったり、便秘やぜんそくとも治療薬が共通することは現代でも応用されていることがよく分かると思います。
薬膳も、肺と皮膚は同じ「行」ですので、アトピー性皮膚炎の方には「肺を潤す」作用の蓮根、それから百合根、梨、秋大根などをおすすめすると効果的なのです。
- 佐々木
へえ。漢方薬はこんなふうに出されるのですね。
- 板倉
「五行説」は体全体のシステムのつながりを知るためのガイド役と思っていただければ。やはりちょっと難しいお話になってしまいましたね。
- 佐々木
そんなことないです。ものすごく面白い。パズルみたいです。
- 板倉
はじめは、紅花や蜂花粉など香辛料を振りかけるようにトッピング感覚で召し上がっていただければよいのですよ。次に季節ごとに薬膳食品のカラダを冷やすか温めるかなどの性質を覚えて作ってみる。
例えば茄子はカラダを冷やす性質があるので熱の性質のしょうがを添えて、“焼き茄子にしょうが”でおいしくもあり、バランスが整った食べ方となりますので。冷え症の方は根菜や体を温める食材を多めに食べるだけでカラダの調子がよいはずです。
- 佐々木
そうか。板倉さんは、やはり、薬膳ですから病気もしないで?
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