ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第66回 板倉 啓子さん

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薬膳研究家 板倉料理学院院長 メンター・フーズ(有)代表取締役
板倉 啓子さん
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四季ではなく、季節を5つに分けます。
- 板倉
薬膳のベースとなる考え方に「五行説」があります。行はお互いの関係、働きという意味です。自然界や身体、季節、味などすべてのものを5つの性質に分類しとらえたものなんですね。はじめて五行を知ったときは、なんじゃこれはと思いましたね。
でも勉強すると風水や占い、漢方医学に組み入れられ応用されていますので実に面白いのです。季節ですが普通は春夏秋冬ですよね。夏にあともうひとつ、長い夏といって、「長夏(ちょうか)」を加えて、5つなんです。
- 佐々木
夏と秋の間ですか?
- 板倉
長引く夏、で長夏です。この図をごらんください。青の矢印が機能を高め合う関係で、赤の矢印これが抑制しあう関係となります。
春を例にとりますと陽気がよくなり暖かくなると、血行が良くなり毛穴は少し開いて体内の「気」や血の流れも上部に昇りやすくなります。冬に蓄えられたエネルギーは上へ外へとエレルギーが高まるのです。そして「肝」は懸命に血液を造ります。
春にうきうきとドライブに行きたくなったり、習い事を始めたくなったりと活動的になるのはお天気のせいだけではないのです。よく昔から「木の芽どきにはちょっと困った人が増える」といわれるのはこんな理由からかもしれませんね。
- 佐々木
いわゆる春、4月になると、皆がやる気になって、「英語やろう!」といった気分になりますが、それは桜のせいじゃなくて…。
- 板倉
そうです。春は「上へ、外へ」という自然界のリズムと血流が良くなるせいです。
- 佐々木
そのときに酸味を食べろ、ってことですか?
- 板倉
はい。「肝」をケアし元気にするのは「酸味」で、疲れたときにはちみつのレモン漬けを食べるとしゃっきりとしますね。
長夏の季節が春と抑制しあう関係となりますね。三杯酢を作るとき砂糖を加えることで機能を和らげると共においしくいただく食べ方なわけです。長夏の「甘(かん)」と、反対側の冬が「塩」で抑制しあう関係です。
ぜんざいに塩、夏の味覚・苦味の菜の花は秋の味覚・辛味の辛子酢あえにすると菜の花の苦味が調和し、塩は苦りが入る自然塩にとの組み合わせとなります。
- 佐々木
なるほどそうか。なにげなく組み合わせて食べていたけど、ちゃんと理論があっての食べ方なのですね。
- 板倉
そうです。面白いでしょ。
10/28
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