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陰山 英男さん
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叩かないと心がよくならないと思ったときには、子どもが悪くなる方を取れ
- 陰山
だから先日の高校野球の不祥事でも、ものすごくアンフェアだと思うんですよね。どちらがいいか悪いかということ以前に、どんな状況があったのか、それが一般的にはわかりませんね。部長さんは写真まで出てきて、インターネットに出てるじゃないですか。
でも、子どもの方や親の方は何も出てないんですよ。責任ないんですよ、何でも言えるわけです。行為の責任を問うんだったら、みんなですよ。少なくとも、親が出てくるんだったら、親は名前出すべきでしょう。
- 佐々木
なぜ、親にモザイクがかかってるのかと思ってました。
- 陰山
体罰についての話は簡単なことなんですよ。なぜ体罰が悪いかというと、これは法律でいけないと書いてあるからなんです。つまり体罰というのは、教育問題ではなくて、法律問題なのです。
我校でも、僕、言ってますよ、「絶対に体罰なんてするな」と。「どうしても叩かないと心が良くならないと思ったときには、子どもが悪くなる方を取れ」って言ってますよ、僕は。そこまで言わないとつい手が出てしまうということはよくあることですから。私もそれでよく失敗しましたから。
子どもが悪くなった方がいい。これは無茶なことと言われるかもしれませんね。でも、法律で禁止されてるんだから、教師に法律違反させるわけにいきません。でも、成績が悪くて叩くなんて教師、そういませんから。他の子を傷つけたり、やっちゃいけないことをやってるから、先生は叩いてる場合が多いはずなんですよ。もちろん、教師の気分で叩いているんなら、論外ですが。
でもこうして子どもの行動に問題があり、教師にその指導に限界が決められているのなら、その部分の責任は、家庭の側にあると考えていいのではないでしょうか。すると、今後は叩かないといけないような行動を子どもがしている場合、その責任を親が取るという方向になっていかないと現場はますます厳しくなっていくでしょう。
そういう、家庭と学校の責任分担がなされていないと、学校は問題ある家庭に振り回され、それは一方できちんと協力していただいている家庭に対しての責任が一方で果たされなくなるという危険性があるということです。
- 佐々木
だんだん寂しい話になってきた。
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