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陰山 英男さん
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教員免許更新制度で、教師の指導力が上がるのか
- 佐々木
免許更新制度は、ダメだと。
- 陰山
これで教師の指導力が上がると考えるのはどうでしょうか。もちろん内容次第でしょうが。そのリスクは考慮されているのか、ということです。免許の更新制が、教師の仕事を増やすでしょう。場合によっては、教職員許可制度で、評価されるために、いかに、親に媚びを売るかっていうことになるかもしれない。そしたらもう、教師がお父さん、お母さん方に、あんた駄目だよ、生活しっかりしてよ、と言えなくするわけですよ。
- 佐々木
確かに。
- 陰山
ある町へ行って保育士さんと話をしてた時に、いやもう、朝ごはんを食べさせるにしても、お母さんがグチャグチャなんだと。「注意すりゃいいじゃないですか」って僕、言ったんですよ。そしたら言えないんだって言うから「なんでですか?」って聞いたら、「いや、私たちもご多分に漏れず、評価される時代ですから」って言った。だから強く言えないとおっしゃるんですね。
「あ、ダメだ、こりゃ」と思いましたね。だから、分析の間違いが対策の間違いを生んで、今は最後の砦を自ら崩そうとしてるとしか思えないんですよ。つめこみ教育批判のときがそうでしたから。
- 佐々木
それは、本末転倒。でも、良くわかります。逆に、担任の先生に改善してもらいたい点を感じても、自分の子どもへの態度や評価が変わるんじゃないかと思って、当たり障りのない会話をしてしまう、ということありますから。
- 陰山
本当に教師の目がある人たちが評価をして、いい教師にちゃんときちんとした給料を払って、そういう人たちを中心にした学校体制が組めるようになったら、うまくいくと思いますが。
- 佐々木
親の中にだって、しっかりした目を持った人はいると思うし。結局、ちゃんと評価する人ができればっていうことですよね? つまり、更新システム自体は、悪くないでしょう?
- 陰山
そうですね。
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