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陰山 英男さん
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小さい頃から長い時間、競争して勉強した子どもはダメになる
- 佐々木
夜に子どもが出歩く姿もすごく異常な風景ですよね。
- 陰山
そう。あれは、社会の自殺行為なんですよ。都会だけじゃなくて、田舎でもそうです。24時間スーパーができて、そこが流行りだすとどんどんだめになる。社会全体のモラルとして変えていかなくちゃダメです。
- 佐々木
塾が9時まで、なんていうのもダメですよね。
- 陰山
そう、そう。だから結局、東大生や京大生の学力低下っていうのは、つまり、小さい頃から長い時間、競争して勉強した子どもはダメになるって話なんですよ。そもそもは学力低下の問題って、そこから始まってるわけですよ。みんな完全にゆとり教育のせいだって誤解してる。ゆとり教育と関係ない若者の学力低下が著しいという理由を考えなきゃ。
- 佐々木
長く勉強することより、しっかり食べて、眠ること、ということですか。確か、一番始めの中教審の部会のときだったかな。今の教師に問題があるというコメントに対して、私は「教育がうまくいっていると言われてた時代に育った人が今の教師だとすれば、その人たちがうまくいっていないなら、教育のものさしを見直す時期ではないか」と発言しました。
- 陰山
うん。だから、きちんと分析がなされてないからね。最大の問題点というのはね、それを改善していこうとするときに、子どもたちや保護者に、まず生活改善させなきゃいけない、ということなわけですよ。
この生活改善の先頭に立つのは誰かと言ったら、これやっぱり教師ですよ。ところが、その教師たちは、教員の免許制や評価連動性などによって、親に対して汲々としなきゃいけない状況に追いこまれつつある。
- 佐々木
それは要するに親からの好印象、高評価を得るために?
- 陰山
そう、得るため。その高評価しようとする人たちっていうのは、夜遅くまで働いてるお母さん方たちであったりする。そういう人たちに対して、ちょっと言葉が悪いけど、媚びようとするから、悪い状態を温存することにつながるのではないかと心配してしまうわけです。
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