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アン・オレアリーさん
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校長先生が、毎日教室をのぞきに来る
- 佐々木
日本の校長先生には、教員を評価する権限がないんです。
- オレアリー
もし評価できなくても、何が起きているかを把握することはできるのではないでしょうか。ここではオープン・ドア主義を採用しているので、校長はいつでも好きな時間にどの授業でも見て回ることができるんです。
- 佐々木
実際に校長先生が見て回られる? どのくらいの頻度で?
- オレアリー
もちろんです! 私の学校では校長先生が急に現れるなんていうことがしょっちゅうです。それに、毎日、何らかのメモや書類を渡す用事をつくって、校長先生が直接それぞれの先生のところに持ってきて、教室をのぞいて「元気?」「おはよう」なんて会話を交わし、様子を見ているんです。教室での雰囲気を見たらわかるじゃないですか。ずっと校長室にこもっているようなことはありません。人事評価という面でも、少なくとも年に2回は行いますし。
- 佐々木
校長先生がする教師の評価というのは、給与の査定などに響くものでしょうか。
- オレアリー
どの学区にもたいていは教職員組合があって、この組合が徹底していて、給与についても同意書を交わしています。ですから、給与が校長先生の評価に左右されるということはめったにありません。また、組合では、逮捕されたり、生徒との間で不適切な行為を行ったりした教師を解雇するときの規定を設けています。このような事態が起こった場合は、少なくともこれが事実であるかどうかの調査が行われている間、この教師は休職することになります。
一般的には、教師は秩序を維持する義務があります。ですから、生徒が問題を起こした場合、生徒は教室から校長室に連れて行かれ、親が呼ばれます。それでも同じことを繰り返すようならば、子どもに適した別の特別の学校を探します。つまり、学習以前に問題があり、真剣に何らかの処置を講じなければならない場合です。秩序を乱したり、反抗性障害があったりする子どもには、別のプログラムが必要です。
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