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川合アユムさん
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生活を変えたアルバイト
- 川合
高校時代はバイトばっかり、いろんな仕事やりました。だから時給600円とか、800円とか、1,000円とか、そういう感覚に慣れていたんで、時間当たりどれだけ稼げるかっていうことを、自分でめいっぱい考えて。だからアルバイトも複合化させていた。
- 佐々木
どんなアルバイトを?
- 川合
いろいろですよ。やってみてわかったのは、結局接客業には全然向かないっていうことでした。自分が続けたくても、ことごとくクビになる(笑)。すぐお客さんとけんかしてしまったり、反抗してみたり、向かんのですよ(笑)。ボケーッとしてて、怒られたり。その上、汚かったんですね、そのころ。オートバイずっと乗ってたんで。
顔も真っ黒けでしたし、あんまりちょっと食べ物に触る仕事的には向いてなかったんです。
だけど、飲み屋さんとかバーとか、ああいうのは時給がよかったんで、ちょこちょこやってたんです。結局長かったのは、ガソリンスタンドとか。ああいうところではいい仕事しましたね。
- 佐々木
何年間ぐらいですか?
- 川合
まじめなバイト時代っていうのは1年ぐらい。アンダーグラウンドの世界へ行くきっかけになったんは、うどん屋だったんです。
- 佐々木
え? そのうどん屋の話、ちょっと聞かせてもらってもいいですか?(笑)
- 川合
接客はもうまったくだめだったんですけど、出前持ちだったらできると思った。荷物を包んで、自転車やバイクでバーッと行ったりするのは、めちゃくちゃうまいんです、僕。それで、うどん屋にバイトで入ったんですね。最初はまともなところだったんですけど、ある時、親方がいなくなっちゃったんです。
いなくなって何しとったかといえば、ゲーム機。ゲーム機をその店に置き始めたんです。まともなうどん屋なんだけど、ポーカーのゲーム機が置いてあるんですね(笑)。
- 佐々木
それ、まともじゃないですね(笑)。
- 川合
うん。最初はサービス用のゲーム機が何台かあったんですけど、しまいに規制が厳しくなって、シャッターを閉めて営業を始めたんですね。そうすると、ゲームがメインで、うどんはサービスになった(笑)。
- 佐々木
(笑)
- 川合
おかしいでしょう。ちょっと腰掛けのつもりで入ったそのうどん屋に、結局長くいることになっちゃったんですけど……。
- 佐々木
辞めようとは思わなかったんですか? これは危ないかな、って。
- 川合
おもしろかったし。親方がいないもんですから、給料もまともになくて、決まった金額くれるわけやないから、店の上がりから「これぐらいは取ってもいいよな」と、適当に自分のお給料をもらって(笑)。僕が作った丼もんとかね、天ぷらとか……。
- 佐々木
作ってたんですか?
- 川合
作ってたんです。親方いないですから全部適当に(笑)。でも結構、やってるうちに、だんだんおいしいのができるようになって(笑)。そんなこんなで、バイトしてたんですけど、完全にシャッター閉めてからは、賭博場ですよね。
十三(じゅうそう)っていう所は、いろいろあってですね、近くで殺人事件まであったんです。そういう生々しい事件があって、僕の周りの人は一瞬にして、いなくなっちゃったんです。逃げたわけです。それで僕も仕事を失ってしまったんですね。
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