ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第5回 松本 侑子さん

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松本 侑子さん
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コミュニケーションの訓練
- 松本
大学生でアナウンスのレッスンもしたことがないのに、7月ぐらいに採用が決まって、10月からいきなり本番が始まって……。局アナの研修を受けたんだけど、会社の人に言われて、恵比寿の東京アナウンスアカデミーにも通ったんです。
- 佐々木
あ、わたしも行かされました。10時間セミナーでしょう?
- 松本
わたしは、もっと行きました。かをりちゃんは、優等生だったから違ったんですね(笑)。
- 佐々木
違うの。もうでき上がった番組に入って行ったから。だけど、『ニュースステーション』の話をもらったのが2月の下旬で、その月末ぐらいには、「あなたに決まりました」っていう連絡があって。わたしは応募してたわけではなかったから、「何に決まったんですか?」という調子。にもかかわらず、「明日からアナウンス学院に10時間行って来い」って言われて、言われるがままに行ったわけですが。(笑)
- 松本
貴久美ちゃんとか、上手な人は行かされなかったのよ。
- 佐々木
あ、そうなんだ。
- 松本
わたしと俵さんは、「あの二人は、どんなにテレ朝のアナウンサーが仕込んでも手に負えない」という感じで、上司に通いなさいと言われて……(笑)。
- 佐々木
わたしの場合、それでアナウンス学院の人がね、「なんで君を採用したんですかね?」って聞くから、「わたし、そんなの知りません」って言ったんだけど。
- 松本
アカデミーでは、ラジオコマーシャルの練習を山ほどしました。
- 佐々木
そう。長く通ってたからでしょうね。
- 松本
でもね、会社から黒塗りのハイヤーの送り迎えがあって、考えてみるとぜいたくなおけいこ事でした。しかも月謝は会社持ち(笑)。
- 佐々木
わたしは、電車で、自費で行かされました(笑)。
- 松本
「会社に来い」って言われて行くと、ハイヤーが待ってて、アナウンスアカデミーへ行って、3時間ぐらい、運転手さんが待っててくださるのね。アカデミーの授業が2時間、のどがカラカラなので帰りに恵比寿のドナテローズでアイスクリームを食べて、車に乗って帰ってくるっていう……(笑)。
今思うと、上司の厚意につくづくと感謝です。きちんと話し方を訓練してもらったおかげで、今、大きな会場での講演会や大学で授業で話すことも苦にならないんです。
- 佐々木
役に立っているということですね。
- 松本
はい、そうです。
- 佐々木
わたしなんか役に立つも立たないも、10時間あっという間に終わったけど。
- 松本
わたしは落ちこぼれで、もっと勉強が必要だったから、すべてレッスンを録音して、家でも勉強しました。学校では、広い教室の個人レッスンで、先生とわたしが教室の両端に立って、反対側にいる先生にマイクなしで聞こえるように大きな声でラジオコマーシャルの原稿を読んで、喉がかれるくらい練習して。
- 佐々木
そう、1対1だったよね。もう、1時間が10日間に感じた、っていうのかな。何だかわかんないんだけど、レッスンに行くたびに、先生がどうして君を採用したんだろうって悩んでるの(笑)。
- 松本
ラジオのコマーシャルを勉強したのがよかった(笑)。話し声だけで、人に物事を効果的に伝える訓練をして、話し方、プリゼンテーションのこつがわかりました。
ラジオコマーシャルは、商品も図も見せないで、声だけで相手の心をつかんで伝えないといけないでしょう。それが、アナウンスの練習だけでなく、効果的な話し方の勉強にもなりました。『ニュースステーション』では、仕事にかけるプロの情熱、取材の仕方、話し方、社会問題を見る視点を学んだと思います。
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