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田中里沙さん
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5個売れたではなく、5人が飲んでくれた
- 佐々木
最後にひとつ。今消費者が変わってきて、媒体も増えてというときに、企業はこれから消費者とどう付き合ったらいいと思いますか。もう一方で、消費者、生活者も、今までとは全然違った情報源をどう活用したり見抜いたりしていったらいいか。
- 田中
そうですね。企業は、本を何冊買ってくれるからとか、経済活動ですから数字の理論がどうしてもありますので、見ますけれども、何個売れたからとか、個数で計るのではなくて、やっぱりお客さんの数で見ていったほうがいいと思うんですよね。
増やしたほうがいいですけれど、お客さんにどのくらい支持されて、自分の会社が成り立っているのか、と。やっぱり、おいしく飲んでくれる、おいしく食べてくれる人がいるから自分の会社があるんだ、っていうことを、もっと人っていうことを、お客様っていうふうに、それこそCRですけどね。
- 佐々木
5個売れたじゃなくて、5人が飲んでくれた。
- 田中
そうですね。または、1人が5回飲んでくれた、みたいにね。そういうのをやっぱりもっと強く意識したほうがいい。結局はマーケットがそれで支えられるわけですから。ただ、大きいところも小さいところも、発展しているところって、やっぱりちゃんとした、いいお客さんに支えられているんですよね。だからそれはやっぱり、今一度大事にするべき、って感じかな、というふうに思いますよね。
- 佐々木
人として対話をする、っていうことですね。
- 田中
そうです、そうです。消費者のほうも、これまでは企業に何をしてもらうかとか、選んで買うわ、っていう、それだけの一方通行だったと思いますけれど、やっぱり自分もその企業の商品を使うことで、自分も成長・発展し、さらにそれが、もしできれば自分がその商品を買うことで、その企業がまた新たに社会に何かをやってくれる、みたいな繋がりも、それこそCSRの感覚で考えている人が多いと思うんですね。
だって私たちも、今スマトラ沖の地震に対して何かやりたいけど、飛行機に乗って行っても何もやることはできない。何か企業がそういうプロジェクトを組んでくれれば、じゃあ、これの期間これを買えば、私も一役を担えるんだ、みたいに参加できますよね。で、そういう役割が企業にもあると思うし、消費者もそれを認識するという時代に来ていると思うので、それと消費者も進化をしていて、何か企業と、消費者がよりよきパートナー、みたいな中で、自分に合う企業を消費者が選び、まあ、持ちつ持たれつになるかな、っていうイメージ。
- 佐々木
私たちイー・ウーマンだと、スマート・コンシューマなんて言い方をしているんですが……
- 田中
ほんと、あれ、いい言葉ですよね。
- 佐々木
情報を選んだり企業を選んだり、っていうことをしながら、やっぱり比較する力とか、考える力をこっち側が養わないといけない時代でもある、っていうことなんですね。
- 田中
そうなんですよね。情報は調べれば取れるんで、やっぱり、騙されたとかでなくて、それこそ自分の責任で選ぶ時代ですね。
- 佐々木
今日は世の中の変化を感じ取れる時間でした。ありがとうございました。
対談を終えて
とにかく母としても編集長としてもサラリとプロの仕事をされる田中さんは、以前から注目の人です。オフィスも近いので、時々お会いしていましたが、今日はたっぷりお話できてうれしかった。「情報が月に1回だと、ものすごく遅いイメージなんですよね」と、今度は月に2回発行になるという宣伝会議。「じゃ、仕事のサイクルは2倍?」と聞くと、「節目が、ちょっと変わるって感じですかね。ページも減るので」と、またまた気軽そう。彼女のような素敵な女性が各所で活躍してくれると本当にいいのに! お忙しい中ありがとうございました。
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