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HP研究所シニア・フェロー、Viewpoints Research Institute プレジデント
アラン・ケイさん
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科学とは、新しいアイデアを学ぶためのもの
- アラン
はい、科学も同様で、私たちは子供を数学者や科学者や技術者にしようと思っているのではありません。私たちが子供がそうした考えを理解する手助けをしたいと思うのは、科学が、異なる思考方法やパワフルな思考方法を体現しているからです。
芸術とは、私たちが作るものすべてを指しますが、同時に技術を記述する方法でもあるんですよ。ギリシャ人は技術と芸術を同じ言葉で表して育み、数学はもともと科学の一部として始まりました。
- 佐々木
アートという言葉に、確かに「技」とか「術」といった意味合いがありますね。
- アラン
特にギリシャでは、geometry(幾何学)という言葉は「地球の測量」を意味していました。科学は、物質世界で起きていることを考えるための言語として使われたのです。だから、子供たちが科学を学ぶことが大事なのです。
- 佐々木
科学的な思考というのが、論理的思考と似ているように理解しましたが、それが、数学的でもあり、クリエイティビティでもある、ということなんですね。
- アラン
近代の科学はシステムですよね。例えば、政治システム、インターネットのようなシステム、大きく複雑で相互作用的なシステムを構成するそれぞれの部分がメカニカルなブロックというよりは生物のように作用する、そういったシステムです。
数学が科学の言語であるのと同様に、コンピューティングはシステムの言語です。いつも違った形を含んでいます。コンピューティングは私たちが学ぶべき、優れた新種の言語です。つまり、それなしでは考えることも難しいような、一揃いの新しいアイデアを表す文字になるわけです。
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