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江端貴子さん
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初めての転職で、マッキンゼーに
- 佐々木
MITでの勉強を生かし、マッキンゼーへの初の転職。いろいろ考えたでしょう?
- 江端
もともと、システムを経営に生かしたいと思っていたので、システム系のコンサルティング会社がいいかなと漠然と思っていました。つまりその時も、マッキンゼーなんて、まったく念頭になかったのです。
当時、大前研一さんがいらっしゃって、マッキンゼーというとすごい頭脳集団というイメージがあって(笑)、自分の就職先として考えたことなどなかったんです。 でも、リクルーターの人が学校に回って来られて…。
- 佐々木
よくアメリカの大学院には、スカウトにいくんですよね。
- 江端
その説明会に行くと一流のホテルでおいしいディナーが食べられるというのにつられて、「これで一食分が稼げる」という気分で参加したのです。
すると、マッキンゼーの担当の方が私の経歴に興味をもたれて、「これからはシステムに強い人を入れたいと思っている」というお話をされたのです。「そうなんだ。じゃあ、システムのコンサルティングに特化する前に、もっとゼネラルな戦略や組織設計などをやるのも、いいチャンスかもしれない」と考え、それでマッキンゼーを正式に受けさせていただくことになりました。そうしたら、合格してしまったのです(笑)。
- 佐々木
もう! 先ほどから、「〜してしまったんです」ばっかりで、「頭がいい人はいいなあ」とだんだん嫌になってきてしまいますよ(笑)。でもMITでMBAを勉強している時に、自分で起業することはオプションとして浮かばなかったのですか?
- 江端
留学も何とか工面をつけて行っている状態でしたので、起業の資金をどうするかなんて考えられないことでした。また、両親の問題もあり…。実は留学中に父が脳梗塞で倒れてしまいまして、それもあったし、フルブライトにも必ずいったん日本に戻るという条件がついていて、2年間は米国の就労ビザが取れないんです。だからとにかく日本に戻ることと、きちんと就職してお金を稼ぐということが私にとっての最優先事項だったのです。
- 佐々木
それでマッキンゼーにも合格して、何年間どんなお仕事を?
- 江端
6年弱です。最初はシステム・電気通信、コンピュータ関係のクライアントを担当していました。しかしそればかりやっていると専門バカになってしまうので、もうひとつくらい専門領域が欲しいなあと思い、興味のあったヘルスケアを始めました。
ちょうどその時、東京の事務所ではヘルスケアの仕事を単発で扱っていたのですが、これからはもっと積極的に行おうということになり、ヘルスケアグループが組織され、その発足メンバーに選ばれたおかげで、製薬会社などのコンサルティングも手掛けるようになったのです。
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