ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第41回 片平秀貴さん

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丸の内ブランドフォーラム代表・東京大学ものづくり経営研究センター特任教授
片平秀貴さん
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ナイキ スーパースターとの関係
- 片平
もう一つは、ナイキに行った時。ナイキはその当時も「Just do it」を打ち出していて、バスケの神様、マイケルジョーダンが頂点だったときでした。タイガーウッズとちょうど契約したばっかりでこれからはゴルフでもいくよってところだった。
「我々は宣伝にスーパースターを使う。だけれども誰でもいいわけじゃないんだよ」って言うわけですよ。スーパーに人気がある選手だったら、誰でも飛びつくんじゃなくて、2つ厳しい条件があると。
1つはナイキと自分のスポーツキャリアっていうのをきっちり語って発信できる人じゃないと駄目。基本的にちゃんとしゃべれないと駄目だと言うんです。
- 佐々木
ちゃんとしゃべれないと、と言うのは、話す能力ということですか? それとも、ナイキのことをよく知っているという意味?
- 片平
ちゃんと話す能力。もう一つはナイキがあることがその人のキャリアにとって、根本的に重要であると思う人。
要するに、このコマーシャルに出ると何億ドル入る、というためだけでCMに出る人はいらない。「自分のスポーツ人生にナイキの助けが絶対必要なんだ、ナイキとともに絶対勝つんんだ」と本気で思っている人しか使わないって言う。
だからジョーダンは、2週間に1回戻ってきて、あのコートで新しいシューズをはいてテストをする。徹底的に開発人とやりあう、っていうわけ。
- 佐々木
オファーする側も、何とかエージェンシーに、このタレントさんいくらですか、って聞くんじゃなく、こういう靴を作りますよということを、きちんとその人に事前に言って、相手が了解しないと、コマーシャル契約に至らないということですね。
- 片平
もちろんです。そういう意味でも基本的なすり合わせが重要。だからCMタレントとスポンサーという薄い関係じゃない。
- 佐々木
共同開発者。
- 片平
共同開発プロセスに、お互い合意するか、命をかけるか、っていうところをお互いに問うわけです。それが一つ。
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