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藤巻幸夫さん
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物を売るための4つのコツ、教えます
- 藤巻
一番のきっかけになったのは、伊勢丹に入社して最初にバーゲン売り場で呼び込みをしたこと。売れ残りでしょ? 予算もつかないし、会社の中でも一番どうでもいいようなところな気がして。
- 佐々木
デザイナーズブランドですか? 20代のころ、わたし並びましたよ。朝8時から毎年。
- 藤巻
うそでしょ? すごい! 僕の担当はブランドじゃなくて、一番安い商品。スカートだったら7,900円のものを2,000円とか、5,900円のブラウスを1,000円で売るくらいの。ブランドというブランドが一つもない売り場だったんです。俗にいう平場(ひらば:メーカーやブランドの区別のない売り場)。そこで覚えたことが、どうやって売るかという商売のコツ。4つ見つけたわけです。
- 佐々木
聞かせてください。
- 藤巻
1番めは、バーゲンでも、いい品ぞろえをすること。2番めが、どんなバーゲンでも、どんな商品でも、並べ方を工夫してお客さんに喜んでもらう、アイキャッチさせていくこと。今の言葉で言うVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)ですよ。
いつも日本とイタリアの八百屋の話をするんだけど。日本と比べるとイタリアの八百屋のほうが色や並べ方がきれいでしょう。見た相手にグッドサプライズさせる何かがある。これですよ。
- 佐々木
よくわかります。
- 藤巻
3番めに、広告とか宣伝費がないから、いかに自分で広告宣伝していくかっていうこと。これはもう、しゃべる力ですよ。そして4番めは、買う人を巻き込む。つまり売る人が買ったお客さんを巻き込んで、「もう一度来るわね」という言葉と笑顔をキャッチできるようにすること。
この4つがないとブランドは生まれない。仕事をしながら覚えたんです。3年間バーゲンの呼び込みをやって、4年めにアシスタントバイヤーになったんですが、それでもまだ満足のいかない売り場でした。だけど、本当にファッションが好きだったから続けられたんです。
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