ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第24回 鳥越俊太郎さん

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鳥越俊太郎さん
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テレビ生放送、出演の違いはね
- 佐々木
ところで今は、『スーパーモーニング』のコメンテーターでいらっしゃいますが、その前は週1回のみ、そして今は3カ月に1回の『ザ・スクープ』のキャスター(共にテレビ朝日系)。テレビに移られて何年になりますか? 新聞記者とテレビの報道番組とは、ずいぶん違う点があるかと思いますが。
- 鳥越
『ザ・スクープ』は佐々木さんも出られていたからよくご存知でしょうけど、1989年から2002年までは週1回放送で、約13年。だから今年で15年くらいですか。
- 佐々木
取材して原稿を書くときは何回も書き直したり、後で補足したり、補修ができるじゃないですか。番組の収録も同じですが。
- 鳥越
ええ、つまり消しゴムがあるということですよね。
- 佐々木
そうですね。テレビの生放送の場合は、音声も表情もリアルタイムで発信されてしまう。自分がその場でどう対応できるか、何を言えるか、どの順番で言えるか、すべてが大切になっていく。
- 鳥越
そう、『スーパーモーニング』は生放送なんです。収録だと「ごめん! カメラ止めて」と言うこともできますけど、生放送には、いっさい消しゴムがありませんから、もし間違ったら、その同じ空間の中で訂正していくしかないんですよ。
だからもう、後悔なんて毎日ですよ(笑)。いちいち後悔していたら、体がもたないですよね。テレビの仕事はやってられません。
自分がうまくできなかったのは、それはもうその時の限界だということなんです。『ザ・スクープ』をやり始めたころは、ちゃんとしゃべれない、ってすごく自己嫌悪に陥りましたよ。とくに一年過ぎたあたりで。久米さんのようにはできないですよ。どちらかというと筑紫さんと同じかな。活字出身の人は、映像を見ていると、どこか照れくささが残っているんですよ。
- 佐々木
それが鳥越さんの人気でもあるのではないでしょうか。
- 鳥越
よく言えば、地のままがちゃんと出るということ。だから地のままで勝負してはまったときはOKだけど、つまずくと大変なことになるという感じです。
取材をして伝える手段が、電波なのか、紙なのか、自分のカラダをさらすのか、さらさないのか……。たしかに状況はかなり変わりましたよね。そのへんの差はけっこう大きい。ただ、根本的なところはそんなに違わない。今でもそう思っています。
- 佐々木
その、根本的なところ、とおっしゃるのは、ニュースの見方とか伝え方とかですか?
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