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久米麗子さん
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若く見えるスタイリングは断ります
- 佐々木
18年間も続くと、スタジオセットも変わってくるし、着る人の年齢も変わってくる。
一つのポリシーを通て、イメージも通しながら、「自然な老い」みたいなものもそれぞれの方に合わせて演出されることになりますよね。
- 久米
そう久米のことはね。年は重ねたけれど「こういうおっちゃんになら、なってもいいな」っていうように。また、「なんなの、この服は!?」という反感も含めて視野に入れていくというのかしら。
時にはどこかにひっかかりがないと駄目なんです。
ですから、全部を一着で賄おうとしたら無理があるんですね。かえって言いたいことがはっきりしなくなっちゃうから。「この日はドーンといこう」とか、そういうことはありますね。
- 佐々木
1日でメッセージを出すんじゃなくて、毎日の連続の中で伝える、ということですね。でもそれはやっぱり、久米宏さんとのお付き合いが長いからできるワザでは?
- 久米
久米の場合はね、40年(笑)。
実際に話し合ったことはないんですが、テレビというメディアに対する考え方が似ているというのが、信頼関係だと思うんですね。仕事は、かかわらせていただいている方と信頼し合うことが大切ですよね。
レディースの場合は難しいです。アナウンサーの方の中には、若さに執着しないとテレビはできないんじゃないかと思っている方もいらっしゃいますから。
30歳過ぎて若さにしがみついていると駄目なの。タレントさんで10年してきた人はもっと根性がすわっていて、そういう人にかなわなくなってしまう。そのうえ、若い人と並んだときに、若づくりが目立ってしまって……。だから、社会全体で女性が年を重ねることを認めてくださったらいいのになと思う。
- 佐々木
そうですよね!
- 久米
雑誌で「5歳若く見えるスタイリングを」という依頼があるんですが、お断りするんです。50歳の人が45歳に見えて、何が人生変わるのかなと思う。その考え方がわからない(笑)。
どうしても日本の女性は、常に男性の価値基準から逃れられないんだと思う。テレビを見ている男性の多くが「女性は若いほうがいい」というような考え方をしていて、その人たちに受けなくてはいけないと思うことがミスだと思うんだけれど。
- 佐々木
同感! アメリカなんかでは、キャスターだってリポーターだって年齢を重ねていくと、それなりにその魅力でいくじゃないですか。アメリカの「60ミニッツ」では、第一線で活躍する70代女性リポーターもいる。ああいう番組のコメンテーターができたらいいだろうなと思いますね。
6/11
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