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小林 栄三さん
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一人ひとりが4000分の1の責任を果たそう
- 小林
僕はね、社員でも、いいところだけ見ようと思っているんです。悪いところはね、組織で補えるんですよ。いつもそう思ってるんだけれど。
一人の強みで生きてるというのはそれはそれなりにあるけど、やっぱりこれだけ世の中が変化するときに、集合体で、それもまたいろんなキャラクターの人間を抱えてる強さ。そういう、いいところを上手くピックアップしていけばいいと思ったんです。悪いところは組織で補っていけば、勝てますよね。勝てないわけがない。
だからこの会社を経営していて、もし3人ぐらいだったら大変だけど、伊藤忠商事だけでも4,000人いて、伊藤忠グループ全体で6万人くらいいるということであればね、それはいい人間をどうピックアップしていくか、役員が皆さんに対して思いをどのように伝えるかという判断がちゃんとできれば、上手く行くんです。会社が本当に思っているのはこうなんだよということを伝える。そういうことなんです。
今回、「Mission, Values, 5 self-tests〜伊藤忠グループ企業理念&企業行動基準〜」をまとめましたが、これなどは、その最たるものですよね。だから、そういう意味では、やっぱりすべてなんでも真剣に向き合ってくのが大事なんじゃないですか。
やっぱり人というのは、いいところを見れば、けんかもしないんじゃないですか。でもね、うちの会社でも、世の中もそうだと思うけど、「あれはあかん」ってやっぱり言うじゃないですか。「あいつはあかん」とか、「あれはできない」「使えない」とか。なぜでしょう? 悪いとこしか見ないんだよね。
悪いところばかり見てるとね、ほんと組織なんかできませんよ。自分がすべてやと思うじゃない。でも自分が全てのはずがないのね。僕もやっぱり自分の得意なことはあると思うよ。でもそれは、ある一点なんですよ。
だからよく社内では言うんだけど、社内体制の中で、4,000人伊藤忠商事の人間はいるんですけど、新入社員から始まって、みんな一人ひとりが4,000分の1の責任を果たそうと。対外的にはね、4,000分の4,000の責任を、僕がとらなくちゃいけない、というのは明らかなんだけど、社内でみんな、一人ひとりが4,000分の1の責任を果たせよ、と言いますよね。やっぱりそれだけの人間がいるんだと。
- 佐々木
それが、チームワークっていうことですね。今回の企業理念、企業行動基準の冊子も、「伊藤忠グループは、私たち一人ひとりがつくっている」というメッセージから始まっていますものね。
- 小林
そのとおりです。みんな4,000分の1の責任を果たせよと僕は言ってきたんです。
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