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ビジネス コンサルタント、レキシコン アソシエーツ 代表、カクタス・ジャパン顧問
ニヤンタ・デシュパンデさん
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インドの場合は、幼稚園に上がるときから九九を暗記
佐々木
インド式計算法は、ものすごくインパクトがありました。日本の教育では、九九は小学校2年生で覚えるんですが、私は自分の子どもたちを見ていて、内容が分からなくても、九九の暗記は3歳でも4歳でもよかったんじゃないかと思っていまして。意味がわからなくても歌みたいに、一回覚えさせてしまえば、後で理解した時にも使いやすいだろうと。でもインドでは、九九どころじゃなくて、2桁どうしの掛け算が当たり前、というのが有名になりました。インドの小学校だと何年生ぐらいで2桁の掛け算を覚えきるんですか? あるいは、そういう訓練をするんですか? 家庭でも教えているんですか?
ニヤンタ
昔、日本の教育の定義は「読み・書き・そろばん」だったと思うんですね。だから、計算するということは、とても大事で、そのための道具として、そろばんを身につけよう、ということじゃないですか。でも今は、そろばんは、そんなに大事にしなくなってきているんですけれども、逆に面白いことに、日本で私がインド式算数を広めていたときに、日本ではかなり盛り上がって嬉しかったんですけれども、インドでは、そのとき、そろばん塾が流行っていたんですよ。だからお互いに、自分のところにはない知恵を求めるのかな、と思って、面白かったですよ。
インド人は数学に関する憧れは、0の発見とか、数学が古くから、ものすごく発達した国ですから、数学や計算に対する憧れを持っているわけですし、家庭の教育の中でも、早期から九九を覚えさせるというのが古くからあるんですよ。で、皆、できるだけ暗算で計算することに憧れるんですね。それでインドの場合は、幼稚園に上がるときから九九を暗記してもらうことがあります。かなり教育熱心な親とか、私の場合は完全におばあさんに、そういうものを暗記させられたんです。
先ほど、まさに佐々木さんが仰ったように、早くからいろんなことを覚えておいたほうがいいんです。たとえば教育というのは何かというと、プログラミングなんですよ。どのようにプログラミングしたかによって、パソコンやロボットがどのように動くかが決まっちゃいますから。だから、インプットの質と量がとても大事なんですね。
佐々木
それは、基礎学力という意味ですね? 基礎学力がきちんとあり、基礎の暗記する力や、当然、暗記した上で、基礎となるいろいろな知識や引き出しがいっぱいあれば、それがアウトプットにつながるということですか?
ニヤンタ
そうです。だから、たくさんの引き出しを作ること自体が目的であり、重要であって、たくさんのインプット、たくさんの引き出しがないと、アウトプットもお粗末に決まっていると思うんですね。
例えば、今回(2009年)の「国際女性ビジネス会議」 のテーマは“Act Outside the Box”だと聞きましたが、それはとてもいいと思っているんです。“Think outside the box”というのは、だいぶ流行ったんだけど、actするというのは、すごくいいテーマにされたと思うんです。クリエイティブな発想で、クリエイティブな行動を意味されていると思うんですね。しかし、クリエイティビティというのは、またとても面白いことに、中身がないとできないんですね。
佐々木
基礎がしっかりないと、発展ができないということですね。
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