ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第130回 山田昌弘さん

130 |
山田昌弘さん
|
|
|
出会いが多い人と少ない人との格差が出てくる
- 佐々木
また暗い気分になってきたところで、結婚の話なんですが。先生のおっしゃる「婚活」というも面白い発想で。結婚とは何ぞやなど考えながらの結婚活動、私も結婚の前に教えて欲しかったと思います。
- 山田
私は今の時代は、本当に昔と随分違ってきたと思うんです。
- 佐々木
どういうふうに違うんでしょう?
- 山田
一番大きいのは男性1人の給料では生活できないという事実が明らかになってきたということだと思うんですよ。私は結婚したい、家族がほしいという意識はそれほど変わっていないと思うんですね。そして、重要なのは、待っていれば結婚するのにふさわしい相手が現れるものだという意識。
- 佐々木
それは女の人の側に?
- 山田
男性もです。普通に生活していれば、周りに自分と結婚してもいいという女性が現れるものだと思っているというのがありますから。男性も女性も、待っていれば、いい人が必ずそばに現れるはずだという、待ちの意識。昔は現実にそれで大丈夫だったのですよ。職場結婚だとか。それに就職後、3、4年待っていてしばらくして来なかったら、周りがセッティングしてくれましたからね。
- 佐々木
お見合いね。そうですね。
- 山田
こっちが言わなくても、「これどうだ?」、「あれどうだ?」っていうのがあったので待っていれば良かったんですが、今はとにかく、待っていたのでは、出会いが多い人と少ない人との格差が出てくる。あともう1つは、男が主に仕事、女が主に家事で、生活がこの先できると思っているという意識、男性も女性もね。それが理想だという人が多いですね。
- 佐々木
私たちの周りには、あまりいないですね。
- 山田
アルバイト女性はもちろん、大企業とか普通の大学に行っても多いですよ、まだまだ。若い人で7、8割は、そうだと思っていますから。男性が稼ぎだと思っています。お見合い探しで話を聞くことが多いんですけれども、キャリアウーマンといわれる人でも高収入の男性と結婚したがる。なぜかというと、好きな仕事だけをしていたいから。仕事をしていると嫌な仕事を引き受けないといけないときがあるじゃないですか。自分で選んで、こんな仕事は嫌だという立場になりたいがために。
- 佐々木
要するに、これだけは稼がなきゃみたいなものは背負いたくないということですね。その部分は男性にやってほしい、そういう意味での高収入。
- 山田
そうです。高収入、安定。
- 佐々木
でも女性の収入の方が高いカップルも多くなってきているのでは? 男女が共に働くカップルであれば、必ずしも男性が高いとは限らないですよね。
- 山田
そうなんですけど、結局、嫌な仕事をしなくてもいいという道があると分かると、そっちを求めてしまうんですよね。好きな仕事だけしていたい。男性でも一緒ですね。男性もキャリアウーマンと結婚して、好きな仕事だけしていたいという人が出てきた。
- 佐々木
そうですよね。妻が稼いでくれれば自分のおこづかいが増えるわけですからね。
- 山田
おこづかいも増えるし。若年者に限っていえば、男性は共働き志向なんですよ。
- 佐々木
女の人が働いていることが嫌だと思わないどころか、むしろ働いていてほしいと。
- 山田
と思う男性が増えてきた。
- 佐々木
なのに、女の人は専業主婦になりたいと思っている人が多い。
- 山田
もしくは旦那が稼いで、自分は好きな仕事だけと、気持ちは分かるんですけども。
17/24
|
 |

|
|