ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第13回 渡辺武経さん

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ニフティ株式会社 元・代表取締役社長 現・特別顧問
渡辺武経さん
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まだ自由度のない日本の社会
- 佐々木
たとえば「国際感覚」とか「国際的な視野」といった言葉がありますが、それは今までとは違うやり方をするとか、日本的な組織の上下関係を打ち破るというような場合に、よく使われる気がします。
そして、そういった感覚は、海外に滞在した経験などから得る場合が多いと思うんですよね。でも渡辺さんは、始めから身につけられていた。むしろそうだったからこそ、ご自分が活躍できる環境が、向こうからやって来たというか。
- 渡辺
そういう感じがしますね。自分と状況が、ぴったりはまったのかもしれません。
それから、わたしは上司に恵まれていたというか、自分もそれに応えられたんでしょうけど、わたしに細かい指示を出す人が、今まで一人もいなかったんです。もし出されたら、その場から出て行きますからね。
- 佐々木
30代までがむしゃらに仕事をしてきて、これからの自分について考えている人は、イー・ウーマンのメンバーの中にも多くいると思うんですよね。自分をもう少し成長させたいと思った時に、渡辺さんのようにとはいかなくても、新しい視点を持とうと訓練したり、いろいろ試みているような気がするんですけど。
- 渡辺
わたしは富士通にずっといましたけど、1カ所に長くいたことはないから、転職しているのと変わらない。そのたびごとに、新しいことをやりましたからね。
国際的視野というのはよくわかりませんが、たとえば日本の中でもてる人は、海外でももてるんですよ。要するに、仕事も評価される。やっぱり、「いい国際人」である前に、「いい日本人」でなくては駄目だと思いますね。
ただ日本の社会には、まだあまり自由がありませんよね。自分だけ違うことをすると変な目で見られるとか、みんながこうしているんだから、あなたもこうしなくちゃいけないとか。国際的な社会と日本との違いは、そういうところにありますよね。
- 佐々木
たしかに、日本にはそういった自由のなさがありますね。誰かが「A」と言ったら、みんなも「A」に傾くというか。
- 渡辺
だから一番上が失敗したら、みんな共倒れじゃないですか。自由度のなさ、それから自己主張が嫌われる。ほかの国なら議論があって、親切でしてあげたことに対して非難されることもありますからね。
でも、わたしは日本の社会でなんとかやってきたんだから、結局、ほかの人と違うことをしてきたわけではないのかなあ、と思ったりもしますけど。
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