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鈴木 淳子さん
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興味をもってぜひやってみたいと思う方は
- 佐々木
この対談を読んで下さる方々が、そういう子どもたちを何とかしてあげたいと思っていたら、どうすればいいですか。
- 鈴木
「かわいそうな子どものために何かしてあげよう」というよりは、子育てにより、自分も豊かになれる、子どものためにもなるけど、自分のためにやってみたい、と思ってもらえるとすてきですね。子どもは絶対思い通りにいかないです。子どもが悪い、この子が変わっている、と思ってしまうと、なかなかうまくいかないです。続けていくのがつらくなると思う。思い通りにいかないのを、悩みながらどこかで面白がれるといいのかなあ。正直言って、私にはとてもできませんけど。
でも興味をもってぜひやってみたいと思う方は、まず児童相談所で話を聞いてみて欲しいと思います。いろいろな話を聞いて、自分の家にそういう子どもが来て一緒にくらすことになったら、どんな風になるか、一生懸命想像してみてほしい。そうして子育てしてみたい、と願うなら、児童相談所で申し込んでみてください。それからがスタートで、もっと詳しくお話しをうかがったり、ご家庭の様子を訪問させてもらったり、経済的なことや社会的なこと、ご親族のことなどある程度の社会調査は必要になります。
もちろん、不妊治療を長くやってみたけれど出産には至らず、でも子育てしてみたい、赤ちゃんから育てて養子にしたい、という方もいらっしゃいます。民間の養子紹介所でもご紹介できます。児童相談所の場合には、やはりご家族、ご親族などについての社会調査をさせていただきますが。
- 佐々木
そりゃあ、そうですね。きちんとした家庭でなければ。
- 鈴木
里親さんの制度もよくなってきていますが、まだまだ不十分だと思います。子ども一人の人生を引き受けるわけですから、途中で簡単に投げ出すわけにはいきません。でも、さっきも話したように、ある程度大きくなった子どもは、想像を超えるような経験をしてきていますので、理解できなかったり、怒りを沸き立たせられたり、嫌悪感で一杯になったりすることもあります。里親さんが日常生活から離れて少し休息、休養がとれるようにヘルパー派遣などの制度や研修会、里親の会の行事などもいろいろありますが、里親さんの事情のよくわかっている応援団、支援スタッフが身近にいて、しょっちゅう手伝ってくれたり、子どもと遊んでくれたり、勉強をみてくれたり、時にはお泊りさせてくれたり、家事の一部をやってくれたり、留守番してくれたり、そんな支援制度があれば、里親さんになってください、ってどんどん宣伝するんですけど。
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