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長坂将志さん
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古さではなくて味に変わる
- 長坂
たとえばちょっと、トイレのスペースが狭かったりとか、テーブルの寸法をデザイナーの感覚でやっちゃったら間違ったりとか、そういう細かい要素はあったんですけれど。
- 佐々木
結構重要だったりして。
- 長坂
はい。すごい重要なポイントでしたね(笑)。実際全部入ってみたら、おい、こんなところで商売できないじゃん、みたいな。だから、エクストラのお金がかかりますね。天板を新しくして作りなおしたり、トイレに関しても、二カ所くらいは、ちょっと出っ張りを広くして、とか、そういうことはやりましたけど。
- 佐々木
そうだ、私が食事をした個室には、トイレもありましたね。
- 長坂
はい、そうなんですよね。
- 佐々木
あれは、プランにあったんですか?
- 長坂
はい、ありました。個室にはトイレを作って欲しいな、というのがありました。まあ、ぼくがこういう店をやりたいと言ったら、デザイナーも察知して。でも難しいですよね。レストランを作るって。
- 佐々木
建物だけに関して言えば、やっぱりそのときのムードとかトレンドとか好みとか、あるでしょう? それに、自分たちの想いや、建築家というかデザイナーの想いもあって。そのなかで1つの作品というか、固定したものとして、レストランの形ができるわけですけれど、時代も人の気持ちも変化するので、ある意味、普遍的とは言わないけれども、ある期間のトレンドやゴージャス感を満足させる、でも、ミニマムなものでなくちゃいけないんでしょうか。あとは、サービスなど、ソフト面で時代の変化に対応していく。
- 長坂
そうですね。でもそのときのスタイリッシュというか、はしりのデザインで、全然構わないと思うんですね。ところがそれが10年後も、古さではなくて味に変わる。色目、素材だとかが。
結局素材をいいものにする。偽物を使わないでほしいっていうのは、そこを見てなんですね。5年間、ガーっと当てて、また新しく内装全部やり直してリニューアルして、というタイプのお店ではないと思っているんです。
まあ、唯一、遊びはこのカーペットですね。カーペットは、好きなときに張り替えればいいじゃないか。あと、家具とかね。
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