ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第107回 毛利 子来さん

107 |
毛利 子来さん
|
|
|
子育ては、お父ちゃんお母ちゃんの流儀でやればいいと思うんですよ
- 毛利
やっぱり、いろんな人がいるということが、人間理解を深めるからね。大体、保育所、幼稚園、学校の先生方は、職業として子どもに接していますから、朝、夫婦げんかして、気分が悪くて教壇に立っても、「皆、明るく元気にやろう」なんて、職業人の顔で。
ちなみに僕なんか、困るんですけれども、2階が住まいなんですけど、朝、かみさんと夫婦げんかが突発すると、階段を下りて、ここに来るまでに、顔を整えたり(笑)。
だから、先生はやっぱり人間の本性を見せていないんですよ。繕っているんです。仮面を被っているんです。だから僕は先生方に言うんです。「先生、失恋したときには、子どもたちに『先生ね、振られちゃったの』って言ってごらん。子どもがなついてくれるよ。大事にしてくれるよ。言うことを聞いてくれるよ。クラス運営が楽になるよ」って。
「今日は、俺、二日酔いでグラグラしているから、お前ら、勝手にやれ」なんて、そのぐらいの方が、子どもは先生に人間味を感じて、「こういうこともあるな」と、結構、自習してくれるんですね。でも、それをやると、親からものすごく……。
- 佐々木
それはダメですね。今はもう、「二日酔いの先生が自習させた」ってクレームが入っちゃう(笑)。
- 毛利
もう大騒ぎで、首になっちゃう。
- 佐々木
本当ですね。たぶん、サイトを読む方はお父さんお母さんが多いと思うのですが、今日のお話を伺っていると、やっぱり自分が楽しく生きることと、何でもありっていう、選択肢を自分の人生でも増やすことと、子どもにも、そういう、自分自身のいろんな面を見せることが、大切なんすよね。
- 毛利
同感です。自分自身も、落ち込むこともあるし、ずぼらをすることもあるし、失敗することもある。うまくいくこともある。自分でも、「俺、人間できてるな」なんて思うこともある(笑)。そういう、いろんな姿が子どもにも伝わった方が、僕はいいと思っているんですね。
- 佐々木
でも、先生のような方に身近に会える、このエリアの方は、小児科でここに来て先生に時々会えば、きっと子どもが来たくなるのと同じで、親も、子どもに病気を作らせて(笑)、先生とちょっとお話したいって方がいらっしゃるんじゃないかと思いますけど、全国、あるいは海外からも見ている人がいると、近くにそういう巡り会いがない人も、いらっしゃるじゃないですか。そういう人はどうするんでしょうね? 本を読むしかない(笑)?
- 毛利
僕はやっぱり、子育ては、その親の方々、お父ちゃんお母ちゃんの流儀でやればいいと思うんですよ。きちんとしたい人は、する。きちんとしたい人に「少し手を抜きなさいよ」って言ったって、なかなか抜けないんです。
逆に、ずぼらな人に「もっとしっかり、きちんとやりなさい」って言ったって、なかなかきちんとできるもんじゃないですから、自分の流儀、自分の性質とか、生活事情にもよりますからね。
貧乏な人と、金に余裕のある人と、人手のある場合と、ない場合と、共働きと、そうでない場合と、地域によって随分違う。田舎と大都会は違いますから。そういう事情と自分の性質で、それに合った流儀でやればいいと僕は思っています。どんなのでも何とかなっちゃう(笑)。
23/29
|
 |

|
|