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毛利 子来さん
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インフルエンザワクチンの効果に関する研究を集めてみると
- 毛利
世界中のインフルエンザワクチンの効果に関する研究を集めてみると、きちんとした評価に堪える研究がほとんどなくて、評価に堪える研究のほとんどが、「効果がはっきりしない」っていう結果が出ていますね。
唯一、オランダのゴヴェートという人をチーフにするグループの研究は、非の打ち所のない、実に立派な研究で、それでは7〜8割効いています。子どもではなく老人ですけど。
でも、ゴヴェートさんがその論文の冒頭に、「これは極めてラッキーなケースである。ちょうどその年に流行したウイルスのタイプと、インフルエンザのワクチンのタイプが一致した。しかも、接種した時期から流行する時期までが、ちょうど1カ月ぐらいで、一番効いている時期だったというラッキーな結果であって、それ以外の状況下では分からない」と書いているんですけどね。でも、それは効いたことは確かだ。だから僕は、「効かない」とは言い切りませんけれども、効果は限られているんでしょうね。
僕は、それよりも、さっきお話した通り、インフルエンザが流行りだしたら、厚生労働省は「残業はやめなさい」という勧告を出すべきだと思いますね。過労が一番いけない。それから、大都会の満員電車も危ないです。だから、時差出勤を勧めるとか、そういう社会的対応を先にすべきで、バカバカ働かせながらワクチンで防ぐっていうのは、本末転倒だと思いますね。で、病気になっても3日ぐらい休めば治るんだからね。休めない状況が良くないんじゃないですかね。
- 佐々木
それは、大切なポイントだと思います。
- 毛利
僕も、娘にいつも笑われるんですよ。うちの娘がフィンランドボーイと結婚しているんですね。その2人が日本へやってくると、「日本人、疲れてるね」って(笑)。
何せ、フィンランドだと朝8時過ぎぐらいに家を出て、5時には帰っていますからね。楽ですね。しかも、保育所で朝飯を食わしてもらっているんですよ。4歳の子どもの。で、5時過ぎに迎えに行ってね。だから、ちょっと日本人は働き過ぎになっちゃっているんですよね。
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