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正岡 裕志さん
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ちゃんとした洗いができていないと、その商品が死んでしまうんです
- 佐々木
「30番の細い糸で、次は、少し厚めのもつくったてみようか」って意見もあるんですけど。
- 正岡
今度は、もっと横の密度というか、打ち込みっていうんですけど、横糸を本数入れるわけです。そうしたら分厚くはなるんですけど、今度はタオルの腰っていうか、土台がしっかりしすぎてカチカチになるんですよ。ガチッとした商品になる。
パイルは本当に柔らかくて、今のシンプルオーグのタオルが、縦糸と横糸がちょうどいい具合に、しっかり作っているんですよ。
それ以上に無理をすると、今度はお互いがカチカチになりすぎて、洗っていくと、よけいまた締まってカチカチになって、逆に使い勝手が悪いタオルになるかもしれませんね。
- 佐々木
そうしたら今回の、シンプルオーグのシリーズのタオルは、とてもいい塩梅なんですね。
- 正岡
本当に。それに、僕たち正岡タオルで作ったタオルでも、河上工芸所さんで洗うのと、違う染工場で洗うのと、全然違う商品が返ってきますから。それも、今回のシンプルオーグは、河上工芸所さんの洗いのなかでも、最高品質の洗いですよね。化学のものを一切使わないで、オレンジオイルや酵素だけを使って丁寧に、柔らかくしていく。だから、本当に愛情いっぱいのいいものですよ。
- 佐々木
織りは一緒でも、洗いで、また違うんですか。
- 正岡
同じ正岡タオルで作ったものを、河上工芸所さんと、別の染工場さんで、特別なことはしないで、洗って、乾燥して、返ってきたら、河上さんの所が1.5倍、かさ高とか。
- 佐々木
フワフワだってことですか?
- 正岡
はい。パイルがフワーッとなったりして。それぐらい違うんです、あそこの洗いは。
- 佐々木
おもしろい。
- 正岡
すごいですよ。もう本当に、作っていて、びっくりしますよ。だから、せっかくいいものを作っても、ちゃんとした洗いができていないと、その商品が死んでしまうんです。
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