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平田 オリザさん
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親には13歳のときに「自転車で世界一周する」って言っていたので
- 平田
危険な目には、そんなに遭っていないですね。まだ、世界ものんびりしていたのかもしれないんですけど。あと、16〜17歳だから、皆、親切にしてくれますよね。子どもでしょ?
- 佐々木
そうですね。そんなにすごく旅をしているとは、皆、想像しないですものね。
- 平田
本人は、全然子どものつもりはないんですけど、今思うと、「よく、そんな時に」って……(笑)。
- 佐々木
親の立場になってみると、16歳の子どもに自転車一つで「行ってくる」って言われると……。それこそ時代も変わっちゃいましたけど、私は、娘と息子がいるんですが、彼らから「旅に出る」と言われたら、7割ぐらいは応援して「さあ、行ってこい」って言いたい気持ちだけど、3割は、やっぱりとても心配ですね(笑)。
- 平田
親には、13歳の時に「自転車で世界一周する」って言ったので、全然相手にされなかったですね、その時には。普通、そうでしょ? 13歳だったら。
- 佐々木
ああ、もう、そこで発表しているわけですね。
- 平田
「ああ、そう」とか。
- 佐々木
「ふーん、頑張りなさい」ぐらいのことですね。
- 平田
あとは、「早く宿題やれ」とかね。それで中学3年になって、三者面談がありますよね。その時に、それまでにいろいろ調べたので、どうも、高校に行かないよりは、定時制高校に行った方が、いろいろ有利だと。要するに身分を保証するものができるから。
日本の場合、IDも何もないから。で、定時制高校に行くことにして、定時制高校に行くっていうことを話したんですね。
うちの親は、比較的というか、ものすごくリベラルな家庭だったので、1〜2年そういう社会的な経験を積むのもいいんじゃないかと思ったみたいで、世界一周のことは、いずれ気が変わるだろうと思っていたと思うんですね。
それで、定時制高校に行って、働き始めて、お金も貯めて、計画も全部立ててしまったので、親は反対の機会を逸してしまったんです。じゃあ、何であの時、許したんだっていう。
- 佐々木
そうですよね。すごく長い間、それこそ脚本が書かれているから(笑)。それで、身分を証明するための定時制でもありますが、つまり目的は、昼間働くっていう話ですよね。どんな仕事をされたんですか?
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