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渋谷 和宏さん
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インタビュアーも適材適所で
- 渋谷
企業経営者では何と言ってもファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんですね。柳井さんには最近まで「ユニクロ柳井正の『経営という仕事』」というタイトルのコラムを連載していただいていたんです。これはアソシエの読者からいろんな質問を募り、それに対して柳井さんが回答するという内容です。
その連載で柳井さんは時々、質問者を叱るんです。例えば「私の部下に女性が多くて、うまく使いこなせなくて困っていますが、どうしたらいいでしょうか?」と聞いてきた質問者を、「男性、女性にこだわっていること自体、あなたがビジネスパーソン失格である証拠です」とぴしゃりと諭したりする。そんな辛口の語りが読者に評判の人気コラムでした。
連載中、僕たちは2カ月に1回のペースで柳井さんにインタビューし、読者の質問へのご回答をいただいたんですが、その時、柳井さんは言葉を選びながら、じっくり考えて話し、特に沈思黙考するんです。黙り込む相手というのはけっこうインタビュアー泣かせですよね。特に僕は気が弱いせいかあまり沈黙に耐えられるタイプではないので、つい話しかけたりして思考を中断させてしまいかねない。
そこで僕はアソシエ編集部で最も沈黙に耐えられそうな記者をインタビュアーに抜擢したんです。彼は物怖じしないというか、類希なる前向きな鈍感さを備えているというか(笑)、相手が黙り込んでしまってもまったく気にしない。一緒になって何分でも黙っていられる。
- 佐々木
素晴らしい特技ですね(笑)。
- 渋谷
実際、彼をインタビュアーにしたら見事に波長が合った感じでしたね。柳井さんが黙ると彼も黙る。ただ一人、僕だけがオロオロしている(笑)。アソシエの名物コラムになった最大の理由はもちろん柳井さんの誠実で的確なご指摘が読者に支持されたからですが、インタビュアーの人選も多少は貢献したのではないかと思ったりしています。
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