ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第101回 渋谷 和宏さん

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渋谷 和宏さん
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褒めました。「これはおもしろいね」って。
- 渋谷
それはですね、褒めて、褒めて、褒めました。アソシエの方向性に沿うような企画には「面白いね!」「いけるよ!」。これぞ「私はどうする」に答えるような記事が出てくると「よく書けているね!」「絶対に読まれるよ!」。
誰だって褒められると嬉しいし気分がいいですよね。承認欲求は万人のものですから。ですから「こういう企画や記事が褒められるんだな」というモノサシを見せてあげれば、個々人が自発的にアソシエの方向性にシフトしていくのではないかと考えたんです。
- 佐々木
全然ダメっていう時には、怒ったりはしないんですか?
- 渋谷
怒らなかったですね。
- 佐々木
それは、どうしてですか?
- 渋谷
僕を含めて皆、アソシエは本当にうまくいくのだろうかという大きな不安を抱えていました。うまくいかないというのが常識の若手向けのビジネス雑誌だったし、そもそも雑誌が成功する確率自体、低いですからね。そんな編集部で怒鳴ったりしたら、雰囲気が悪くなるだけでなく皆、萎縮してしまう。「僕たちのやっていることはたぶん間違いない。だから自信をもって楽しんでやろう」というムードを意識して造るようにしました。
- 佐々木
ぐっと我慢する。でも、泣きたいような記事が出てくることって、ないんですか?
- 渋谷
あります。それは、さすがに、怒らないで突き返して(笑)。
- 佐々木
怒らないで突き返すって、どうやるんですか?
- 渋谷
「校了を1日延ばすから、こことここを直せ」って言って。
- 佐々木
それを優しく言うんですか?
- 渋谷
ええ……いや、そうでもなかったかな(笑)。強い口調で言ってしまったこともありましたね。でも怒鳴りつけたりはせず、「ここは全然取材ができていないから、これを踏まえて、もう一回取材をしなさい」とか「ここを前に持ってきなさい」とか、かなり具体的な指示を出したと思います。部員はそうは思っていないかもしれませんけれど。
- 佐々木
「見出しはこれでいこう」なんて、自分で書いちゃったりはしないんですか。
- 渋谷
そうしたくなる時もありますが、ぐっと堪えて書き直してもらいますね。その後で僕が直したりしました。
- 佐々木
それは、でも、最初、上に立ってまとめるというのは、初めてに近い経験だったんですか? それまでにもあるんですか?
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