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私の視点

アメリカの楽観と日本の平和ボケ ─クリスマスのNYCから

藤田正美(ふじた・まさよし)
『ニューズウィーク日本版』編集主幹

2002年12月7日

今週はニューヨークに来ています。感謝祭明けにこちらに来たので、人通りも何か少なく、クリスマス気分も盛り上がっていない感じでした。でも人々の気分はそれほど暗くはないようです。景気もたいしたことはないとはいえ、回復基調にあるようだし(日本のような「腰折れ」はあまり懸念されていないのです)、「イラク戦争」についても妙に楽観的なのです。

米、イラク戦争への自信

つまりイラク戦争に関しては、比較的短期で終わるという見方が支配的です。短期というのは2〜3週間です。当初の見方とは全然違います。当初は、バクダッドまで進攻すれば長期化必至といわれていました。またフセイン政権を打倒したとしても米軍はしばらく占領せざるをえず、それだけでも大変な人的・資金的コストが必要と言う識者も多かったのです。

もちろん戦争ですから、いったん始まればそれまでの戦略・戦術は変えざるをえなくなります。それでもこのアメリカの楽観的な気分はちょっとびっくりします。彼らに言わせると、とにかくイラクに対してはいずれかの時点で何かやらなくてはならない。やらなければならないのなら、戦争を始める理由のある今のうちに早くやって早くすませよう、ということだそうです。

アメリカがこれだけ対イラク戦争に自信をもっているのは、まず圧倒的に軍事力の差があること。前回の湾岸戦争時にはイラクの軍隊は100万と言われていましたが、現在は50万を切っているといいます。米軍は当時よりもさらに装備などの面で進んでいますから、この差は決定的に大きいと言えます。さらに戦争が始まったときには、米軍はもちろんイラクの防空施設を徹底的に爆撃するでしょう。こうした爆撃によってイラク軍の戦意は喪失するだろうと考えているようです。

9.11が気付かせた自国への脅威

さらにこれだけプレッシャーをかけているのだから、フセイン自身が自発的に権力者の座を降りるのではないかとも考えています。そうなればアメリカの目的は一応達せられるわけですが、それはある意味でアメリカにとって最悪のシナリオでもあります。つまりフセインが大統領の座を投げ出し、自分の弟を後継者にして亡命するということになれば、フセインの影響力が残ってしまうからです。ですから、アメリカとしては何としてもフセインを引きずりおろさないといけません。

こう書いてくると、アメリカは何様のつもりで他の国の政権を倒そうとするのか、という疑問が出てくるでしょう。そういった疑問は、世界のほとんどの国が感じていることです。本来、独立国の主権を侵すことはどのような国にも許されていないからです。だからフセインがかつてクウエートを侵略したとき、世界はほぼ団結してイラクを追い出しました。

状況を変えたのは昨年の9・11テロだったことはみなさんもご承知のことです。あれでアメリカは自分の国の安全保障が脅かされていると考えるようになりました。だから国を守るためには、その元凶であるサダム・フセインを倒さなければならないと考えているわけです。これはアメリカにとっては自衛権の発動ですから、国連の決議など必要ないという議論もありましたが、単独で行動するよりは国連決議というお墨付きがあったほうがいいというように姿勢を変えてきています。

拉致問題と安全保障論議の転換

ひるがえって日本のことを考えてみましょう。第二次大戦後、日本は自国の安全保障についてはアメリカ任せにして、自分たちは目を背けてきました。それができたのは、日本人が自分たちの安全保障を考えるよりは、むしろ考えないでいてくれたほうがその当時の世界にとってありがたかったからです。アジア諸国にとっても、アメリカにとってもそのほうがよかったのです。

だから日本人は平和ボケと言われてきたのですが、北朝鮮という具体的な脅威が明らかになって、最近の日本人の安全保障論議は変わってきました。日本人を数十人も拉致(彼らが明らかにした人数をはるかに超える数でしょう)し、核兵器やミサイルを開発し、なおかつそのミサイルは日本を標的にできるのが北朝鮮です。問題は、その具体的な脅威に日本はどう対処するのかということです。

もちろん食糧援助などを取引材料にした外交的努力が必要です。人道的援助を取引材料にするのはけしからんと思う方もおられるでしょうが、そういった駆け引き材料がなければ相手に拉致や核兵器を放棄させることはできないでしょう。国交正常化を急ぐ日本政府に対し、アメリカが核問題を明らかにして警告したのは、日本が北朝鮮との国交を正常化してしまえば、取引材料が減ってしまうからです。

外交的努力の次の手段

さて外交的努力が功を奏しない場合、日本に残された手段は何でしょう。もし日本が他国を攻撃できるような武力を持っていれば軍事行動という手段もあるかもしれません。もちろん現在の日本にそういった能力はないので、実際にはアメリカに頼るしかありません。そのときアメリカ任せではなく、自衛隊も何らかの軍事支援をすることになるはずです。それが具体的な日本の安全保障を守る手段ということです。

アメリカは現在の状況を同じように考えています。われわれ日本人にとっては、かなり違和感のあるアメリカの行動ですが、そう考えてくればわからないことはないと思います。ただそれが世界平和にとってプラスなのかマイナスなのかは日本人として慎重に考えなければなりません。考える時間はあまり残されていないのです。

●読者の視点に答えて

先週の民主党に関するコラムについて、読者からお便りをいただきました。政治状況を変えたいけれども、一個人として何ができるのだろうか、というのがその主旨でした。個人にできることは限られています。しかし、僕は個人が自分の住んでいる地域が抱えるさまざまな問題に取り組むことが、やがては中央政治を変えていくことにつながると思います。どうも私たちは中央政治ばかりに目を向けがちです。とくに大都市になればなるほどその傾向が強まります。でも政治の基本はできるだけ個人の生活を守るということですから、そこからの行動が必要だと思います。そしてそれがコミュニティの再建につながるし、それがまさに政治を変えるきっかけになるでしょう。こういったみなさんのご意見は私にとっても非常に貴重なものです。イラク問題については、みなさんはどうお考えになりますか。ご意見をぜひお寄せください。




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