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私の視点

「官僚の罪と罰」

藤田正美(ふじた・まさよし)
『ニューズウィーク日本版』編集主幹

2002年8月10日

狂牛病(この言葉が嫌いなお役所がBSEと呼べと「指導」しているそうですが、私は狂牛病を使います)にからんだ牛肉偽装事件が、いまだに尾を引いています。業界最大手の日本ハムの子会社が、輸入牛肉(520キロ)を国産と偽って国に買い取らせたことが発覚しました。この偽装工作は早い段階で子会社の幹部も承知していたのに、内部告発によって農水省が調査に乗り出すまで明らかにしませんでした。

日本ハムは、いまだに「リスク管理」とは何か、わかっていないようです。どんな組織でも、不祥事をゼロにすることはできません。不祥事が起きたときにそれをどうマネジメントするかが重要だともう何年も言われ続けてきました。事実をできるだけいちはやく公表すること、そして原因を追及し、再発防止のシステムをつくり、それもいちはやく公表すること。これが基本なのです。

雪印食品の事件はまだ覚えておられるでしょう。事実関係を隠し続け、後からぼろぼろといろいろなことが判明してきました。これは最悪なのです。会社に対する信用が一挙に失われ、結果的に雪印食品は解散せざるをえなくなりました。不祥事の処理のしかたがまずかったために、社員は路頭に迷ってしまったのです。一部の社員が犯罪をおかしてしまっても、うまく処理すれば企業へのダメージを最小限にとどめることができるはずで、そうすれば他の社員は一時は苦労しても路頭に迷うことはなかったでしょう。その点、雪印食品の経営者はまったく失格でした。

日本ハムも、これでスーパーなどの店頭から商品が撤去されるという動きが広まれば、とても輸入牛肉520キロに引き合わない損害が出ます。わずかの損を惜しんで大損するという典型的な例になります。こういった事件が発覚するのは、多くの場合、内部告発によります。これからはアメリカのように、内部告発者を「保護」する制度が必要になるかもしれません。動機は何であれ、内部告発は組織の深奥で行われる「違法行為」を暴くために必要だからです。

それにしても、そもそもこうした事件を誘発したのは、農水省の狂牛病対策があまりにもずさんだったからです。私たちはそれを忘れてはなりません。もし農水省がきちんと狂牛病のリスクに対応していたら、買い上げ制度もなく、一連の輸入牛肉混入騒ぎは発生しなかったのです。そして企業は、これらの詐欺行為によって少なくとも不買運動などの形で「社会的に」罰せられます。しかし、業務怠慢によって国(つまりは納税者)に数百億円もの損害を与えた農水省はどのような「罰」を受けたのでしょう。当時の責任者が「不作為」の罪で起訴されたでしょうか。退職金を召し上げられたでしょうか。クビになったでしょうか。

不作為の罪で起訴されたケースは、旧厚生省の薬害エイズ事件があります。この場合は、多くの人命が失われ、多くの患者が残りました。だから世論も厳しかったのですが、農水省のケースも十分に厳罰に値するものだと思います。めったに責任を取らない官僚が、国民生活を左右するような政策をつくり、権力をもってそれを実行していることに私たちはもっと敏感にならなければなりません。だからこそ政治家がしっかりしなければならないのです。そして政治家をしっかりさせるのは、私たち有権者の責任でもあるのです。




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