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今、有権者が選択を迫られる時(2003年9月20日)
偏った関西人論を広めないで
いつも楽しみに記事を読ませていただいています。わたしは関西出身で米国ロサンゼルス在住13年半になりますが、9月20日付の記事冒頭で関西人論を述べられているのに実は失望しています。というのは「典型的」ではない関西人または海外在住者として、両地で同じような経験をしているからです。
日本にいれば「ロサンゼルスなんて怖いところに……」と言われ、ロサンゼルスにいれば「大阪なんて怖いところに……」と言われる。これは多大に映画、ニュース(メディア)の影響なのです。前者は一連の映画やロスの暴動に関して、後者は映画『ブラック・レイン』や阪神優勝に伴う馬鹿騒ぎに言及しています。
わたしが今まで経験してきた中で、このようなコメントをする方はみな関東出身、特に東京出身の方です。今まで気にもとめなかった藤田さんのプロフィールを確認して「やっぱり」と思いました。
藤田さんも仕事やプライベートで各地、各国へ行かれることが多いと思いますが、ロサンゼルスや大阪全体で映画やテレビのようなシーンが毎日繰り広げられていて、関西人全員がそのような人であったり、ロサンゼルス一体で暴動が毎日起こっていたりするわけではないことはご存知だと思います。それはほんの作り物の話、そしてあの暴動はその時ロスのほんの一部で起きた出来事、というのはきっと理解されているだろうし、実際に目で見ておられると思います。
関東地方の一般の方がこのようなコメントをされるのは仕方ないと思います。あらゆるマスメディアが東京から全国ネットで偏った情報を流し続けているのですから。かかるコスト、時間からして関東地方の情報しか流せないからでしょう。
逆に、関西地方含めほかの地方の方々は地方ネットで情報が流れてきます。が、それは関東へは流れません。ここで、関東地方の方は関東の情報のみ、ほかの地方の方は少なくとも関東と地元の情報が流れてくる方程式ができるわけです。このバランスを少しでも均衡にするのが藤田さんほか、メディア関係者の役目ではありませんか?
日ごろマスメディアの現状を嘆きつつ、よりよい環境にしたいと述べられている藤田さんがそのように思われていることにショックを覚え、やはり当分は変わらないなあ、というのがこの冒頭を読んだわたしの感想でした。
藤田さんは、野中さんや竹中大臣がもし関東またはその他の地方出身だったら果たして「〜出身だから反逆精神が多い」と述べられていたでしょうか? 単に彼らの性格や人格のせいとは考えられませんか? どこの地方で育とうが、彼らの性格や人格にそれほど大きな違いがあったとは思えません。政界のカリスマ的存在であった鈴木衆議院議員を「北海道出身だから」と表現されたでしょうか?
たまたま関西出身だからそのように書かれていたのでは、わたしとしてはとても残念に思います。一般の方はただでさえ少ない地方のそのような情報をインプットされて「関西人は……」といった観念に陥るわけですから。近ごろは日本でもケーブルテレビが発達してきているようなので、情報の偏りも少しずつ変わっていくのかもしれませんね。大いに期待したいと思います。
以上、典型的ではない関西人として「またか」と辟易していたので、少しでもメディア関係の方に聞いていただきたい思いでメールしました。これからも興味深い記事を期待しています。(ew)