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第4回 カオリ・ナラ・ターナーさん
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もっともっとステキな70になってやるぞ! |
進藤 |
先程もありましたが、年を重ねていくことに不安はお持ちじゃないんですね。 |
カオリ |
世の中のカレンダーが動いても、私とあんまり関係ない。「あなたお先にどうぞ、あたしここにいたいの」って。だって、肉体的にはたしかに衰えるかもわかんない。でも衰えても逆に若い人にないものをいっぱい持ってるじゃないですか。だから、それを活用したらいいんじゃない。
もし私の体が動かなくなったら、口が動く。だったら、電話の番だってやれる。何か探せばありますよ。 |
進藤 |
常に「できることを大切にする」わけですね。できないことを考えるんじゃなく。 |
カオリ |
たとえば、何にも趣味がないとしたら、何かやってる人たちのところに行ってみればいいの。自分で探さなかったら、向こうから趣味は飛んできてくれないですよ。自分が体験してみれば、「合うよ」ってもの絶対ありますよ。 |
進藤 |
30歳になっちゃったから、今から新しいことを始めるには遅いかしら、とか。
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カオリ |
ノー。"Never too late !"ですよ。あたしが、メイクアップ・アーティストになったの40からだから。 |
進藤 |
そうですよね。ターナーさんは実際その道を歩んでこられたんですものね。 |
カオリ |
そうそう。だって関係ない。相手が若いのと、私が年取ってるのと関係ないんだから。またいい按配に、アメリカでは70歳でやってる人もいたし。 |
進藤 |
では、たとえばこれが日本だったら、と考えるといかがですか? |
カオリ |
うーん、わからない。ただおかしいのは、日本だと「若けりゃいい」ってなぜ? 若い人だけでいいものできっこない。知識もないし。 |
進藤 |
経験も浅い。 |
カオリ |
若い人だけ集めて、何ができるんですかって思うの。機械を作るのはうまいかもわからない、でも、ふとしたときの経験、メイクアップで言えば、何も材料がないとき、「眉墨忘れた」となったら、「誰かマッチの棒ない?」って。マッチの棒を削って、墨つければ色が出る。
経験に勝るものはないんですよ。若い人を見ると、「あなた大変ね、これから私の年までいろいろ苦労するんだ」とかわいそうに思うけど、私はもっともっとステキな70になってやるぞって。まだまだ足らない。 |
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