
「必要な役割を演じてるだけ」と割り切る(海がめ・東京・パートナー有・35歳)
演じてますね。特に、会社と家との演じ分けです。家と会社では、要求されるものも相手にする人も違いますよね。人格を変えることで本当にオン・オフの境がはっきりして、精神的なバランスを取るのに一役買っていると思います。本質的にこだわりのない私は、平和に楽しくケ・セラ・セラと過ごすのが大好きで、なるべく人とは争わない主義なので、家ではポヤポヤしています。でも、会社では部下のため、仕事を達成するために喧嘩をしたり、きついことを言ったりしなければならなかったりします。そんな時、「なんで私はこんなに嫌な人間なんだろう」と悩まずに、「私は女優だから、会社で必要な役割を演じているだけだ」と思えばなんてことはありません。実際、仕事にも雑念なく集中できるし、結構楽しめるような気がします。人に何か言われても同様に「この人も女優・俳優やっているのね」と思えるので、気に病むこともなく、いいですよ。
母親という仮面は難しい(IPウーマン・36歳)
私は本来、軽口の叩けない、要領の悪い人間で、小学生の頃から「あなたは堅すぎる、真面目すぎる」と先生に言われ続けました。その反動なのか、現在、職場では話題の豊富な人、と思われているでしょうし、保育所では明るく快活なお母さん、と思われているでしょう。おしゃべりになると周りに人が集まる、ということがわかったときから、一生懸命自分を変えようとした結果です。でも、既にこれが私の仮面の一つになっており、付け替えるのはさほど苦ではないです。今、我ながら受け入れられないのは「いいお母さん」仮面。子ども達がどうしても言うことを聞かない場合、家では感情にまかせて怒ってしまうことが多いのに、外では人目を気にして「○○してみようか?」などと優しく説得しようとしてみたり。いいお母さんぶりっ子してるな、と激しく自己嫌悪。これはまだ付け替え容易な状態にはなっていないのでしょうね。お母さん歴が浅いから、仕方がないか。
自分を励ます演技(satomi27・米国・パートナー有・29歳)
YESにしましたが、実は少しずれているかもしれません。演じるというよりは、自分の気分を持ち上げたい時に、自分に対してちょっとしたトリックを与えています。例えば、朝、「疲れてる、体がだるい」という感じで起きてしまった時などに、「いや、こんなどんよりした私は私らしくない。元気出して!」と自分に訴えかけるか、そう感じさせるような行動をとります。するとだんだん元気になってきたりします。ある意味、私の場合は他人に対してというより自分に対して演じる部分があるのかもしれませんね。
揉め事のない生活のために(kyoko-o-55・兵庫・パートナー有・28歳)
妻を演じています。結婚してすぐ、つまづいたときに、人生の先輩方からのアドバイスで、「良妻を演じていればとにかく揉めることは減る。本当の自分は別のところで出せばいいから」と言われ、そんなものなのか? と反発する気持ちもあったものの、少し実践してみると効果を感じたので、自宅で夫といるときはもっぱら演技しています。掃除が好きでよくやる、料理も好き、夫が遊びにいっても気にしないで帰りを笑顔で待つ、というように、実際と違うことなのですが、やっています。一度原因不明の頭痛で倒れたことがあり、病院ではストレス性のものだろうと診断されたので、これが自分にとってストレスなのかな、と不安に思うこともありますが、とにかくキレやすい夫なので、揉め事のない生活を優先させたいと思い、演じつづけています。一人でいる時や実家にいる時は演じている意識はなくのんびりやっています。
主婦であり、学生であり(ROSAY)
結婚をして3年。DINKSから私が学生に戻り、主婦業と学生生活を始めたら、フラッシュバックするように学生時代の自分に戻りました。学生の自由さと奥様としての制限のある生活は、なんと女性らしさに磨きをかけてくれるようになったのです。夜のお付き合いや勉強会、人との付き合いが増え、まさに毎日がコミュニケーション能力を鍛えるステージとなっています。自分のわがままさがよくわかるようになり、相手のことを考えられる自分も発見しました。最初は、時間に余裕があることでいろいろなことを受け入れられるようになり、その後、心の余裕が生まれて、誰とでもそつなく付き合えるようになったような気がします。