
遊びや生活の中で生きる知恵として教える(minapyon・オランダ・パートナー有・35歳)
生物学者の父の影響で、わたしたち兄弟は自然科学を身近に感じて育ちました。今、息子たちには、お風呂では水遊びしながら、散歩途中でには虫や草花について、料理途中はイカをさばく途中に呼んで見せたり……遊びの中で生きていくための智恵を教えるようにしています。
現在、4歳の長男はアメリカンスクールに通っているのですが、(学費が高いだけあって?)さすがにがよくオーガナイズされています。一週間に一つのテーマ……たとえば種、宇宙、ヘルシーな食べ物etc.について、さまざまな角度から勉強します。家から5つ野菜や果物の種を持ち寄り、週に一度、親子で種の絵を書いたり、という具合です。英語がまだ、たどたどしい息子ですが、楽しみながら理解しているようです。
理科嫌いでも、いつかびっくりする体験をすれば……(美希・千葉・パートナー有・35歳)
娘は2歳なので、まだ、教えているというレベルではないのですが、わたし自身が科学の子ども向け絵本や図鑑を眺めるのが好きなので、図書館で借りてきては、毎晩一緒に見て楽しんでいます。娘は「これは?」「これは?」と何でも指を差して名前を知りたがるので、「ちきゅう」「きょうりゅう」という感じで答えています。
夕べは恐竜のイラストに描いてある鋭い歯を指差し、それから自分の歯を指差して、「いっしょ、いっしょ」と言っていました。恐竜の歯と自分の歯が「いっしょ」なんて、考えたこともなかったのですが、ああ、なるほど確かに「いっしょ」だなあと思いました。子どもが発見したことに耳を傾けてみるのは面白いなと思いました。
ちなみにわたしは今、会社員ですが、大学時代には理科教育を専攻したほど科学好きの大人になりました。でも、科学を初めて面白いと思ったのは中学校の理科で「1光年」という単位を習い、「そんなに宇宙は大きかったのか!?」とびっくりした時です。小学生の頃は「メダカの尾びれはどれか答えなさい」というようなテストが嫌で、むしろ理科嫌いの子どもでした。だから、今の小学生の調査で悪い結果が出たとしても、そのまま科学嫌いの大人になるかどうかはわからない……という気がしました。科学は範囲が広いですし、面白いこともたくさんありますから、いつか、どこかで「びっくり」するような体験をして科学嫌いから科学好きに変身してしまうかもしれませんよ。
五感を澄ませる喜びを教えてあげたい(ぷりこ・埼玉・パートナー有・30歳)
子どもにとって大事なのは、五感を澄ませる喜びを教えることではないでしょうか。拙宅では子どもが「よく見ること、聞くこと」に集中できるように注力しています。次のステップとして、子どもの観察したことに関しては、「同じか違うか、何に似ているか、違うならどう違うか」を問うようにしています。情報が氾濫する中で、「体験・体感からの考察」という経験をさせてあげられれば、と考えるこの頃です。
ちなみに、文部科学省が「家庭や社会の中で大人が教えることが大事」と言うことは、本末転倒だと思います。家で学習できないことを学ぶために先生がいて、学校に通うのではないでしょうか。家で科学を教えられる機会のない子どもにとっては、学校こそが学びの場なのですから。文部科学省の発言は、機会均等の原則に反するものだと思います。
「なんで?」の声には、科学的な説明を(ピオーネ・静岡・パートナー有・33歳)
大学では物理を専攻していましたが、今は専業主婦です。現在は、生活の中で「なんで?」「どうして?」を連発する子どもになるべく科学的な説明をするようにしています。夜は、月や星を見ながら、勉強としてではなく物語として月の満ち欠けや地球の自転の話をしています。
わたしが科学に興味を持ったのは、子どもの頃から科学の専門家である祖父や父の話を聞いて育ったから。科学は、きとんと順序立てて考えれば、小さな子どもであっても理解が可能な分野だと思います。そのための環境作りに貢献したいと考えています。子育てが一段落したら、地域の子どもたちのために科学塾を開いたり、科学絵本を作ったりするのが夢です。
科学には、生活に役立つ豆知識も多い(ありる)
強いて言えばYesですが、まだ上の子が4歳なので……。「なんでなんで」の想像力やファンタジーはできるだけ生かしながら、科学的な説明ができる時はしています。わたしが科学オタクなので、つい言いたくなってしまうんですよ(笑)。「ね!? すごいよねー。面白いよねー」なんて。
科学って結構生活に役立つ豆知識も多いので、知識というよりは、自分で目にする現象から実感として身につけていってくれるといいな、と思っています。

科学を教える際に気をつけていること(homma・新潟・パートナー有・41歳)
学びたい気持ちを大切にしたいので、教えるのは少なくしています。また、子ども自身が、疑問を持つことを期待して、いろいろ体験させています。科学館などの実験はわかりやすくて面白いけれど、身近にも不思議なことはあります。不思議な現象を見せてあげるのが一番。「なぜ」と思わせるために、ただ答えを教えたりしない。最初はわからなくても、繰り返すとわかってくるし、わからない時はインターネットだけでなく、図書館へ行ったり一緒に調べます。
疑問を持たせることに成功した後、「自ら考えることや実験が面白い」というところに行くまでは、かなり大変。子どもを通して、こちらも学ぶことが大切だと感じています。
また、記憶力ではなく、応用力・創造力をつけるためには、自分でやってみることが大事です。(子どもにやらせてみる。やりたくなるような方法を考える。子どもがそれに接する機会が多ければ、自然に興味を持つこともありますよね。)知っているはずのことが、うまく結びつかない場合もあるので、思い出させてあげることも大事だと思います(なかなか、答えにたどり着かないと、親子ともストレスがたまるので、時には、ヒントも)。
昔からの「よみ・かき・そろばん」は、学問を学ぶ上での基本。国語力がないと、正しく理解することができないし、コミュニケーションもぎくしゃくします。「科学を教える」ことに、特には力を注ぎませんが、自らの体験や実験が、論理的な思考の基礎になれば良いと思っています。