
齢30を過ぎて夢中になりました(フジイ・東京・34歳)
「きょうも会社に行くのが昼過ぎになってしまったほげたさんは、うっかり反対方向の電車に飛び乗り、終点の山奥の駅へ……『こうなったら、きょうは、やまのかいしゃへいこう』とおもいました」という『やまのかいしゃ』。ほげたさん以下の登場人物も、片山健の絵も、とにかくおめでたいほど「ほのぼの&豪放」で、大人の脳をぐにょぐにょにする絵本です。齢三十を過ぎて、はからずも絵本のとりこになってしまいました。
『しろいうさぎとくろいうさぎ』(空色・宮城・28歳)
学生の頃お付き合いしていた彼に『しろいうさぎとくろいうさぎ』という絵本をプレゼントした事があります。幼い頃、初めてこの本を読んだ時、これまで自分が味わった事のないような甘酸っぱい感覚、それでいて心の片隅で、こんな経験をしてみたいと初めて思った本でした。「ずっと一緒にいようね」という気持ちを託して彼にプレゼントしたのですが、予想以上に喜んでくれた覚えがあります。もちろん、自分用にも一冊購入し、今でも大事にしていますが、絵本を見る度に、恋愛・結婚について夢を抱いていた頃の純粋な気持ちがよみがえって来ます。
絵本は子どものものだけじゃないんですよ(くまごろう)
昔から図書館でよく借りていたのは、絵本でした。そのため、わたしの本棚は、お気に入りの絵本だらけ……。わたしの一番のおすすめは、何年か前に買った『わすれられないおくりもの』。人の死について書かれています。どの絵本も、子どもだけのものではないんですよね。いつか子どもができたら、たくさん読んであげたいな。
弱いものいじめ、偏見を取り除いてくれます(べんじゃみん・既婚・30歳)
これは、スヌーピーの出てくる漫画『PEANUTS』の作者、C.H.シュルツ氏が書かれた絵本です。日本語訳は、聖路加病院の小児科部長さんが書かれています。難病に苦しむ子どもが世界には多くいます。絵本では、白血病と戦う女の子が出てきます。小学校低学年からなら、親御さんと一緒に読める本です。弱いものをいじめたり、病気への偏見といったものは、幼いうちからその芽を作ってはならないですが、この本はその役目を大いに果たせる本です。わたしは『PEANUTS』ファンなので、この本を買いましたが、予想以上にすばらしい内容だと感じました。
絵本と愛情があったからこそ(reikot・大阪・既婚・30歳)
『シンデレラ』や『桃太郎』などの絵本は、祖父が読み聞かせてくれました。家が自営業だったため、母も、祖母もそちらへ手をとられていたからでしょうか。猫の好きなわたしはよく「これ」と猫の描かれた絵本を選択していたようです。後は、父の会社の同僚たち。若い人を給料日前には連れて来ていましたから、祖父亡き後は、彼らが交代でわたしや弟の相手をしてくれました。わたしは今、休職中ですが、図書館司書という職についているのは、幼い頃から活字に親しんできたからだと言われますし、自分でもそう、確信しています。
ページをめくる瞬間の感動!(歌うたい77・神奈川・24歳)
『はらぺこあおむし』。今でも読み返すとすばらしい本だと感心します。読み返しながら思い浮かぶのは、幼い頃の布団の中で本を読んでくれた母の声です。パソコンの普及で、クリックひとつで次々と新しい世界が目の前に現れるようになりましたが、やはりあのページを自分の指でめくった瞬間の驚き、感動は今でも忘れることができません。自分に子どもができたら読んであげたい一冊です。
おばあちゃんとの思い出(morgan92)
両親が共働きだったため、小さい頃はよく祖母と寝ていました。よく絵本を読んでもらって、だんだんわたしが読むようになり、ほめられるとうれしくて、うとうとしている祖母を、「聞いてる?」と何度もゆり起こしては、自分では読んであげているつもりで満足していたのをおぼえています。風邪をひいて、病院の待合室でも、まわりの大人や看護婦さんに「お嬢ちゃん、上手ねぇ」などと言われると、また調子に乗って、さらに声をはりあげて読んで、風邪を悪化させたりしていたようです。今になって、家族からそういう話を聞くと、ちょっと恥ずかしいけど、懐かしい思い出です。
ぼうや〜良い子だ……(京)
最近の子どもって、全然昔話を知らないんですよね。びっくりします。わたしの家は、絵本よりも、よく日本昔話を読んで聞かされました。あれって一応、その地方地方に伝わる話でしょう?知ってて当然だと思うんだけど……。だから、絵本よりも何よりも、日本昔話です。今はテレビでももうやってないのかなぁ?
わたしにとって意外な本がお気に入りに(こうむ・既婚・42歳)
長女は『ぐるんばのようちえん』、長男は『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』など乗り物系でした。子どもが幼稚園の頃、海外に住んでいたので『こどものとも』を年間購読でとっていたのですが、一番これがおすすめです。年齢にあわせて『0・1・2』『年少版』などもあり、親以外の選択で本が毎月送られてくるのは親子でとても楽しみでした。わたしにとって意外な本が子どものお気に入りになったりしました。その一例が、『なんじゃもんじゃはかせのおべんとう』でした。甥への誕生日プレゼントは『こどものとも』の年間購読にしています。
子どもを見習い自分も盛り上がる(JNaka)
3歳の息子と絵本を読みます。読んであげる時ももちろんあるのですが、何度読んでも毎回わくわくする子ども心をちょっと見習って、自分で盛り上がってみたりもします。今は『ぐりとぐら』とか『こどものとも』のシリーズが多いですが『いやいやえん』もそろそろ仲間入りできそう。自分が子どもの頃に読んだ本を息子も気に入ってくれると、なんだかうれしくなります。30年以上経っても色あせない絵本、いつか孫と読むかなぁ、素敵だなぁ……といつも思っています。
生きる喜びを感じられます(ななこ)
『わすれられないおくりもの』年をとって死んでしまったアナグマさんと周りのみんなのお話。子どものために買って読んだのですが、わたしにとっても深い感動がありました。うちの子は身近な人の死を経験したことがなく始めはピンとこないようでしたが、大きくなるにつれて少しずつ分かってきたようです。死というのは重いテーマですが、残されたものたちの気持ちがしっかり書かれていて、読んだ後生きる喜びを感じさせてくれます。
子どもは書く楽しみ、親は見て楽しむ(ぎっくり・既婚・30歳)
『らくがき絵本』。この本は、読むための絵本ではなくて子どもが書きこむのが主体の本です。固定観念がしっかりと出来てしまう前の柔らかい頭の時期に絶対におすすめです。幼稚園や学校などで、お友だちの絵や先生の言うことを気にしながら描く絵ではない自由な発想で物事を考えられるようになると思います。親は見て楽しい、子どもは描いて楽しい。おまけに、何年かたって見てみても楽しいことうけあいです。
美しいリズムを刻む絵本(よしが)
松谷みよ子さんの絵本はとても、文章が美しいんです。読んでいくうちにだんだん詩のように流れていく美しいリズムに気付きます。『いないいないばあ』、『赤ちゃんにおくる絵本』、『いいお顔』などなど……。全て、楽しい文章が詰まっていて、お母さんも読むのが楽しくなってきます。