「社長」イメージを覆した社長

一般的に社長のイメージというと、押しが強い、がんばり屋、饒舌で強い個性で部下を引っ張るリーダーシップを持っている人、さまざまな人が思い浮かびます。わたしも社長になる前はそう思っていて、「わたしにはとても社長なんて……」と思っていました。

そのイメージを覆したのが、ある社長との出会いでした。事業計画書の作成勉強会でアドバイザーとして、起業を目指す人たちに的確なアドバイスをしてくださいました。創業5年で株式公開を果たしたことは伺っていたので、さぞかしエネルギッシュで饒舌な方なのだろうと思っていました。ところが彼は、外見は社長というより大学の先生、落ち着いていて口数も多くはありませんでした。事業計画書について注意点、長所を淡々と、しかしながら要点をついたコメントをくださいました。人に対する態度はまさしく「実るほど頭を垂れる稲穂かな」で、とても腰が低く、偉ぶったところがありませんでした。後に彼の会社は、過大な広告費や接待費などは使わず、低価格、高付加価値サービスを実現させたことで、急成長しているのだと知りました。その社長との出会いで、どんな性格の人でも、ビジネスのスタイルを確立すれば成功できるんだ、という希望が生まれました。自分自身の強い個性を売りにする社長もいるし、自分が前面に出るのではなく、周りのスタッフを盛り立てるスタイルをとる社長もいます。責任感と判断力、この2つを磨くことで可能性は開けるのではないかと思っています。