

批判しつつも奨励する社会も問われるべき
(Petite・ニューヨーク)
世の中は最近パラサイトシングルを批判する傾向にあるようですが、パラサイトシングルを批判しつつも奨励するような社会の矛盾も問われるべきではないでしょうか。たとえば、就職時(1995年当時)に「親元から通えることが条件」とする会社も多々見受けましたし、生活費のかかる都会においてのルームメート、同棲などの生活形態もまだ一般的ではないようです。若いうちは給料も安く、都会での自立は困難なのではないでしょうか。
自立率の高いアメリカでも、特にここニューヨークでは高額の家賃を払うために、2、3人でアパートをシェアしたり、恋人と住んだりと若者は四苦八苦しています。それも社会が自立を奨励するからこそです(親元通勤原則などという会社は皆無ですし、他人とのアパートシェアや同棲も広く認識されています)。日本では自立したくても経済的にできない人も多いのではないでしょうか。そのような人は親元にいても家にお金を入れているだろうし、自分の身の回りの管理も自分でなさっているのではないでしょうか。もちろん、怠惰にパラサイトシングルの道を選ぶ人、子離れ親離れしない人たちというのは論外ということが前提です。
「戻る」のはいいことだと思う
(由宇湖・パートナー無・32歳)
一度親元を離れて、自分の生活や精神面をコントロールすること、金銭面での自立、親のありがたみなどをわかった上での大人としての同居はいいと思います。高校卒業と同時に一人暮らしを始めて、豊かな生活ではありませんが、臨時収入があれば親に少しばかり送り、誕生日にはプレゼントを送ったり、電話をして声を聞いたり、手紙のやり取りをしたりと、実家に住んだままだとなかったはずのハッピーなサプライズを親とやり取りしています。
一人暮らしというよりも、わたしは「小さな一つの所帯」を持ってみることは、とても意味のあることだと思います。ただ、片親のわたしは、自分の成長とともに年老いる母を一人にしておくことがとても心配なので、実家に戻るか近くに住むことも考え始めました。寄生、ではないですね。親元、という意味であれば、年老いつつある親のもとにいる、というよりは「戻る」のはいいことだと思います。若いうちは金銭的に苦しくても飛び出すほうが、ずっと得るものが大きいと思いますけれど。
両親はとても助かっているよう(ジョゼフィーヌ)
うちの姉は他人から見るとパラサイトシングルなのですが、必ずしも「親元で同居している=自立していない」とは言い切れないと感じています。このご時世ですから一緒に暮らしたほうが経済的ということもあるし、何が何でも自立するのがいいとは思えません。また、遺産や住宅にまつわる問題など、税金や法律に詳しい姉がいないと困るといった側面もあり、両親はとても助かっているようです。また、母親が体が悪いということもあって、父が不在の時などは特に「姉がいてくれてよかった」と、パラサイトどころか感謝の念すら抱いています。
一緒に暮らすことで成長(ぐん・広島・パートナー無・25歳)
わたしも完全なパラサイトです。家にお金も入れてません(それよりも、自分で結婚資金を貯めなさいという考え方だから)。大学も地元で、2週間以上家を空けたこともないわたしですが、基本的に、どんな状態であっても人は、できるだけ多くで集まって暮らすのが一番いいのではないかと思います。得意不得意、忙しい時とそうでない時をフォローし合えるだけでなく、一緒に暮らす人(=家族)の温かさに触れて、人は大人になってもどんどん成長できるのではないかと思うからです。
今はいろいろなライフスタイルが選択できる時代(chrinecia・東京・パートナー無・44歳)
わたしは44年間、実家で暮らしております。高収入で、優雅に同居しているという点では、わたしはこのカテゴリーには属さないのかもしれません。でも、たとえ親元で優雅に暮らしている人に対してでも、このパラサイトという表現には、悪意を感じます。今の世の中は、いろいろなライフスタイルを選択できる自由があるのではないでしょうか? ご両親と同居していらっしゃる方の中には、当然お給料の何割かを家族全体の生活費に充てられたり、ご両親にそのまま渡されている方だっていらっしゃることと思います。逆に一人暮らしをされている方たちは、みなさん仕送りとか、実家のご両親に何かしていらっしゃるのでしょうか?
ちなみに、わたしは今、母と二人暮らしですが、この年になってもまだまだ母からは、教わることはたくさんありますし、楽しいから実家におります。実は、わたしの実家はわたしの祖父と伯母が戦前に建てた家なのです。わたしはずうずうしくも(?)いいご縁があれば、まだ結婚もしたいと思っております。でも独身である以上、わたしは祖父や伯母や父たちが残してくれた、この家を大切にし、感謝しつつ暮らしていきたいと思うのです。
思いやりを持つことの難しさを痛感(sugasts・愛媛・パートナー無・31歳)
親と互いに快適な生活を送れている、あるいは送ろうとしているのであれば、これも貴重な人生経験だと思います。わたしは10数年の一人暮らしを経て、現在約1年の期間限定ながら両親と同居を始めました。互いに望んでスタートした同居も、日々の生活の中で互いに甘え過ぎず、思いやりを持つことの難しさを痛感する毎日です。離れている時に感じていた親のありがたさを忘れてしまうことも多く、親子だからこそ互いを尊重し合う気持ちがより大切なことだと感じます。これもパラサイトシングルならではのいい経験です。

自立した両親でいたい
(りりあむ・奈良・パートナー有・32歳)
どちらかというとNoです。家庭・個人の事情もあると思います。ただ、なんとなく最近は親のほうが「家にいてほしい」という傾向があるような気がします。わたしは親が早く出て行けと言わんばかりに、26歳になっても家にいるんだったら、毎年食費を値上げする(もちろん結婚資金も自分で貯めなさい、でした。自立した一人の人間なんだから食費と結婚資金は別ということらしい)と言っていましたし、門限など口うるさい親元から早く出て行きたい、と自然と思わせるように両親がしていたなと、今になって思います。
自分の手で生活していくのは大変です。わたしは家を出てから、本当の意味で親のありがたさを実感しましたし、「早く家を出たい」と思っていても、どこかでやはり親を頼っていたんだということも痛感しました。でも親のほうは、一つ心配の種が減ったとばかり、ますます楽しく明るい老夫婦暮らしをしています。わたしも子どもに依存しない、自立した両親でいたいと思います。子どもに「家にいてほしい」と言うような親になりたくないです。
「いい加減に自立しなさい」の一言で
(pippi・神奈川・パートナー無・42歳)
それぞれの年代、立場、考え方に違いがありますが、個人的には一度は何の援助もなく自活する経験を持つべきではないかと思います。わたしは20代後半に親から「いい加減に自立しなさい」と家を出されましたが、よかったと思います。いずれは、と自分では思っていまいしたが、あの一言がなかったら今でもパラサイトしていたかもしれません。自宅でぬくぬくもいいですが、自活してもまれることも大切です。
家を出ようと考えていたら、片親になってしまったので出るに出られなくなったり、親の体調が心配だから、そろそろ家に戻って自分の扶養に入ってもらおうなど、自由が効かなく前に勇気を持って一歩前に出ては? わたしは今逆パラサイトを考え中です。年代的に家に戻る友人も増えています。自分のことだけを考えていればいいパラサイトの人たちは、責任が重くなってくる逆パラサイトのことをどう考えているんだろうか。
パラサイトシングルだった夫と離婚し
(エミル・パートナー無・52歳)
わたしが若いころ、女性の就職は、自宅から通う人が品行方正ということで採用され、一人暮らしだと比較的不利でした。また、仕事を持っていなくても、家事手伝いとして茶道や花道、料理などの習い事をしていても不思議ではありませんでした。
そんな時代に育ちましたが、27歳で結婚。そして2年前に離婚したのですが、離婚の理由は前夫はパラサイトで重荷だったからです。新婚当時から始めた自営業は経営不振に陥りました。親と別居し、二人で暮らしていたので、わたしは生活のため勤めに出ましたが、そのうちわたしの収入で暮らしていけるようになったら、前夫は、不況のせいにして営業活動をあまりしなくなり、パラサイト夫になりました。その前夫は、現在一人暮らしをしている79歳の母親の元で3万円の食費のみを入れているパラサイトシングルです。わたしは、年金生活が送れるか否かの日本で、一人で生活(慰謝料・退職金なし)していますが、パラサイトシングルがYesかNoかといえば、つらい状態であるけれどNoです。
結婚してわかったこと
(MIYAさん・東京・パートナー有・30歳)
基本的にはNoです。やはり経済的な問題や、世代を超えた相互扶助はこれから社会的な問題になっていくと思いますが、やはり、子どものほうの「自立しない姿勢が残る人」が社会的な問題だと思います。独身で親元にいても、立派に自立してやっている人もたくさんいるとは思いますが、「考え方が甘いなあ」と思わされることもしばしば。わたしは早くに結婚して、ほとんど親の助けなく二人で生活しており、親の仕送りもそろそろ考えなければいけないかなあと思ってもいるので、甘い考えの人の発言を聞くと、非現実的だと思います。
結婚することがいいことだとは言い切れませんが、結婚して初めて、社会的な責任・大人・家を築くという責任を課せられたような気持ちになった記憶があります。そういったものは、親元を離れてみないと実感しないもの。どんなに独身で活躍している人たちを見ても、結婚して家庭を切り盛りしながら、なおかつ同じように働いている人たちのほうが、やはり上手(うわて)だなと思うこと。そして、さらに子育てしながら働いている人などには、頭が下がる思いです。そういう意味で最近、仕事ができる・できないとか、遅くまで頑張って仕事をしているかどうかよりも、その人の器や経験というものがより光る人に注目するようになりました。常に、自分のことだけでなく、自分がかかわる非常に多くの人を幸せにしていける人、それがすてきな大人だと思うのです。
「一人暮らしをしたことのない女の子はアカン」
(aibe・大阪・パートナー有・28歳)
暮らし方は他人がとやかく言うことではないと思うのですが、離婚した男性の話で多いのが、「一人暮らしをしたことのない女の子はあかん」という話。なんでもやってもらって当たり前、自分の権利だけ主張する、などなど、厳しい意見。でもそんな男性陣に、ではご自分はどうですか、と聞くと、やっぱりパラサイトでしたが。
覚悟のいる生き方、とも思える(たまきち・パートナー有・31歳)
職場の尊敬している40代の上司は、独身で両親と同居という、パラサイトシングルといわれる状態です。しかし、80歳近い両親は、体調も崩しやすく、毎日、朝食や夕食の準備、土日は家事全般と、仕事と家事の両立に精神的にも、肉体的にも無理をしているように感じます。特に、お母さんが入院されたときなどは、兄弟は妹が一緒に住んでいるのだから妹に任せておけば安心、と協力がほとんど得られない状況のようでした。そうした上司の状況を考えると、パラサイトシングルという生き方は親の老いと身近に向き合い、介護も視野に入れた人生設計を一人で選択せねばならない覚悟のいる生き方のように感じました。
夫婦二人の生活を楽しみにしているので(ENYA・神奈川・パートナー有・48歳)
親元で暮らすことに関しては、その人の自由だと思います。でも、自分に関してはNo。これはわたしがするということではなく、されることが、です。子どもが独立して夫婦二人になったあかつきには、とたくさん夢を抱き、その夢を日々塗り替えて楽しんでいるわたしたちにとって、その日が来ないなんて恐ろしい限りです。わたしの理想の実家は、独立してパートナーを得た子どもが、ちょっと時間ができたからのんびりしに行こうかと言える家です。共存は望みません。

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